佐野史郎のお気に入り


スウェーデンの氷のホテル

1998/3/31
photo
★氷のホテルで一人に一枚出される宿泊証明書。

―――そもそもなんで、氷のホテルなんだっけ。

真希◆去年の春に、佐野ちゃんがしょぼくれていた時期があって、雑誌かなんかを読んでいて氷のホテルを見つけたのね。それで、佐野ちゃんに「こんなとこあるよ―」って教えてあげたの。その時は、まさか行くことになるとは思わなかったけど。

―――なんで、しょぼくれてたんだっけ。

佐野◆何かドラマの『ガラスの靴』がうまくいかなくて、TVの『青い鳥』もあるし、舞台の『漱石とヘルン』もあるし、ゆっくり休める時期が全然なかったんだよね。

真希◆それで、海外にでもゆっくり行きたいねという話しで、佐野が急に「2月に休みが取れるから、氷のホテルに行こう」って言いだしたの。

佐野◆だって「雪の女王」みたいじゃない、アンデルセンの。俺、子どもの時童話が好きでね。タイトルは忘れたんだけど昔読んだ童話で、ガラスで出来た山の上のお城に住んでいるお姫様のところにたくさんの王子が求婚しに行くっていう話があったのよ。だけどガラスだからみんな滑って山から落ちて死んじゃうのよ。なんかそれを思いだしたりしてね。

真希◆すごい。たくさんの王子様が死んでる山なんて。(笑)

―――けっこう予約を取るのが難しいんじゃなかったっけ。

佐野◆マネージャーの渡辺氏が、北欧が得意な旅行代理店の人を紹介してくれて、いろいろ聞いて。

真希◆佐野は「行きたい」と言うだけで後は何もしてくれないから、スケジュー ルやホテルの予約はいつも全部わたしが。

佐野◆すみません。でもマキはそういうのが好きだし得意だよね。ここには何もなくて娘の八雲が退屈するから、ここに寄ってとか考えたり。

―――氷のホテルってかまくらの大きいものだと考えればいいのかな?

真希◆かまくらというよりもピングーのお家が長くなった感じじゃない。

佐野◆そうそう、ピングーだな。氷の電話も、氷のTVもある。飾りだけどね。でも、夜眠れなかったら24時間でムーヴィー・シアターもあって、夜中に行ったら「バットマン&ロビン」をやってた。シュワルツェネッガーの役が「ミスター・フリーズ」。(笑)
photo
★氷のベッドに敷かれたトナカイの毛皮。

―――それは洒落てるねぇ。(笑)ボクが読んだ記事では、氷のベッドだから寝る前に寝袋の中で腕立てを20回してからじゃないと書いてあったけど。

真希◆全然々々、すごく暖ったかい。トナカイの毛皮の上だから、寝袋の中はTシャツでも大丈夫だし、八雲なんか10時間も寝たもん。夕方の5時にフロントに集まって寝方の講習会があるんだけど、横の教会で結婚式をあげることもできるから、新婚さんなんかも使う二人用の寝袋を借りて八雲といっしょに寝たよ。

佐野◆ハネムーン・スイートもあったね。アイスホテルに泊るのがしんどかったら、同じ敷地内にあるコテージに滞在して見学もできるんだよ。30人ぐらい宿泊できるんじゃないかな。氷のバーは9時からだったかな。グラスも氷でできてるから、オン・ザ・ロックじゃなくてイン・ザ・ロックと言うんだよね。

photo
★氷のバーでイン・ザ・ロックを飲む佐野。

―――なんか、氷のホテル用に暖ったかい洋服を持って行かなきゃいけないから、かさばって大変だとマキちゃんがこぼしてたけど。

真希◆向こうについたら、周りにいろんなアクティヴィティがあるから防寒具一式が使ってくださいって置いてあるんだよね。これも調べたんだけど、分からないことだった。大人3人が乗れるような犬ゾリに乗ったんだけど、防寒具がなければとても乗れない。

佐野◆(ヴィデオを見ながら)粉雪も舞って、まったくおとぎ話の世界だよね。 これは、めちゃくちゃ気持ち良かった。30分ほど先の暖炉のあるロッジまで行って。そこでコーヒーやケーキのサーヴィスがあって帰ってくるという。

真希◆夜9時くらいからノーザンライツ(オーロラのこと)が出始めたんだけど。

佐野◆まえ、アラスカで見てるから、そろそろ出るという感じが分かるようになったね。後でいっしょに泊まっていたドイツ人の人が、「12時くらいがすごかったぞ」って言ってた。アクティヴ・オーロラだったんだろうな。
photo
★まるで、おとぎ話のような犬ゾリ。

―――ホテルにはいろんな種類の氷が使われてるみたいだね。

佐野◆近くの湖から切り取ってくる氷が青くて綺麗だったね。

真希◆ガラスみたいに見えるけど、透明度の高い氷を使って明かりとりにしてあるんだよ。室内の温度がマイナス5度で、戸外がマイナス15度だから、私たちが行った時は暖冬でいつもより暖かかったみたい。

佐野◆アラスカでマイナス40度ぐらいは経験してるから、それに比べれば暖かい 。

真希◆今回の旅行では、食べ物もここが一番美味しかった。雷鳥もトナカイも美味しかったね。

―――白夜とかないんだっけ。

真希◆あれは夏だね。

佐野◆だから、氷のホテルは12月から5ケ月間だけで、毎年建てるわけ。コテージのオーナーの発案らしくて、特許じゃないんだろうけど、写真とか使うのにも許可がいるみたい。だからその横のコテージに泊まって、氷のバーに行ったり、氷のホテルで一泊だけもできる。

真希◆北欧の人たちは大きいから、スカンジナビア航空(SAS)ならエコノミ ーで十分。座席が大きくて快適だったね。