二〇〇五年　睦月　如月　弥生　卯月　皐月　水無月　文月　葉月　長月　神有月　霜月　極月 二〇〇四年　睦月　如月　弥生　卯月　皐月　水無月　文月　葉月　長月　神有月　霜月　極月　 二〇〇三年　睦月　如月　弥生　卯月　皐月　水無月　文月　葉月　長月　神有月　霜月　極月 二〇〇二年　睦月　如月　弥生　卯月　皐月　水無月　文月　葉月　長月　神有月　霜月　極月 二〇〇一年　睦月　如月　弥生　卯月　皐月　水無月　文月　葉月　長月　神有月　霜月　極月 二〇〇〇年　睦月　如月　弥生　卯月　皐月　水無月　文月　葉月　長月　神有月　霜月　極月

二〇〇五年弥生二十六日 あれやこれやを……。 林海象監督の新しい探偵モノシリーズの映画を今年になって撮影していましたが、ネット配信の同シリーズの撮影をやりました。 詳細はまだ発表はできないようですが、オモシロイですよ。 今回はまたしても大先輩、石橋蓮司さんと御一緒でした！ ここ数年、一番お仕事御一緒させていただいてるカモ……。 アンゲロプロス監督の新作「エレニの旅」のパンフレット用の取材を受けたり……。 透明な、くすんでいない、硬質な精神の反映されたものづくりに栄冠あれ！……といった心境です。 あと、なにしてたっけな……？ 「週刊新潮」から依頼のあった短編小説書いたりね。 そうそう！大瀧詠一師匠の“NIAGARA　MOON　30th　anniversary”出たんで聴いたけど、久々に笑ったなあ〜。 30年前、TIN　PAN　ALLEYやNIAGARAまわりの音楽って、レコード出るたびに大笑いしてたもんな……。 いや、名盤中の名盤！です。 ナイアガラ・カレンダーも好きなんですけどね……。 今回は御自宅のFUSSA４５　ＳＴＵＤＩＯでマスタリングなさったそうで……これから毎年の楽しみが増えました……。 表現って、生真面目になりすぎても……ナンですよね……。 いや、しかしな…アンゲロプロスの映画はどうなんだろう……？　マジメだよなあ〜。 うん、でも、今回の「エレニの旅」でも暗喩やなにやかやや、CG使わずに、村をまるごと作って水没させてしまうなんて……フザケテル！……ともいえますものね。 オカシイ……ヒトのやることって……。

二〇〇五年弥生二十二日 はあ、ふう、ほお〜やっと終ったあ〜2時間半（！）ドラマ……。 テレビ東京さんの、4月のやつなんだけど、1日の深夜にレコーディング終って、翌朝出発で佐賀でロケやって、福岡行って、東京帰ってすぐ君塚組でいわき市に行って、帰ってきて東京でドラマの残のロケやって、昨日埼玉で終り！……っと！! 長かった〜。 あ、でも、ちょっと東京帰ってきて休みの日があって、「ジンガロ」観に行ったか……。 良かったなあ〜。馬と人が融けあって……ヴァルタバスって……魔法使いみたい！格好い いよ〜!! いわゆる、ショウってんじゃなく、チベット僧たちとのコラボレイションは神聖な儀式でした。 説明なんか一切なくて……ああ、こういう表現に触れると……自分は何をやっているんだ ろう……って自己嫌悪に陥ってしまいそう……。 ちょっとチケット高いけど、う〜ん、あれだけのものを維持し、興行するとなると、決して高いとは言えないような気もします。 ……でもね、安く、若い人たちにも観やすい環境を周囲がととのえられるといいと思うんだけど……。 あとは、フランスのアーティスト、tete……　日仏会館のパーティーで4曲ばかり演奏するのをバンドの橋本潤と聴きにいったんだけど、スゴかったあ〜。 刺激受けまくり……です。 アコギ1本なんだけど、さすが、パリのストリートで鍛えられてきただけのことはある……と、感動させられました。 ジョアン・ジルベルトの「声とギター」のアルバムと比較するのは妙に思われるかもしれないけど、まさに、声とギターで説得させる力量にひれ伏すのみ……でした。 キャリアだの、若さだのでは計れませんね、表現は……。 妙な業界ズレした垢まみれのオトナだけにはなりたかねえ!! 今日はね、YUKIのnew　alubum“joy”聴いてます。 ……実は……ハマってます。 ……ああ……でも、やだね……若い人たちにあわせようとムリしてるオトナみたいで……って!!　好きなものはしょうがないじゃない！ 僕も、５０になって、また小学生の時のように、中学生の時のように、高校生の時のように、芝居を始めたばかりのころのように、紅テントで汗まみれで芝居シゴかれてたころのように、初めて映画のカメラの前に立った時のように、ドラマ漬けの日々のなか、それでもシュルレアリスムを忘れずに立ち向かっていたように、馴れずに、いつも初めて出会った人やもののように……また、螺旋のふりだし地点に立ち戻ったのだから、今できることを、今日できることだけを、やりつづけなければ……いや、できなかったら、ヤメなさい……ってことですよね。 錯乱気味のサノではありますが、まあ、見守ってやってくださいまし。

二〇〇五年弥生十六日 「踊る大捜査線」のシリーズ最新作の撮影で、いわき市に行ってました。 久々に柳葉敏郎氏と再会。 １０年近く前の連続ドラマ「沙粧妙子　最後の事件」ではドップリと組ませていただいたからなあ〜１月の浅野温子さんに続いての同じ組の再会でした。 一度ディープな仕事を経た方に対しては、なんとも言えぬ親近感があるものです。 俳優としての資質や目指している事がどうであれ、同じ現場にいて相手にあずけることができる相方はやはり大切……。 撮影の合間には随分と語り合いました……君塚良一監督とも「MAKOTO」に続いてのお仕事ですし、もちろん脚本家としても「ずっとあなたが好きだった」「誰にも言えない」近いところでは「感染」……、また、ウルトラシリーズを根っこに持っているお互いですからね、躊躇することなく、何でも思っていることをぶつけることができ、楽しい仕事となりました。 ……が、１月からやたらと地方ロケが続き、レコーディングの時以外は、ほとんど東京 にいた記憶がないので、さすがにちょいと疲れ気味……。 そんななかで、唯一の楽しみは音楽を聴くこと。 昨年暮の「マダラ姫」の時も、楽屋でリラックスするのにボサノヴァ随分聴いてまし たが、フレンチ＆ブラジルは本当に身体が楽になります。 地方ロケでは、feistやkerren　ａｎｎ、coralie　clement、カエターノ、ジョアン ・ジルベルト……よく聴いてました。 最近はtom＆joy、ハマってます。イタリアのquintettoxとかね。 そうそう、ボサではないけど、tete、良いですね〜。 来日中！ １８日は渋谷のクアトロでやるみたいだけど、残念ながら、その日は行けず……悔しい なあ〜。 ギター１本でもすごいらしいっス！ さて、僕の方も、レコーディングした音源は、まだラフミックス段階ですが、手応え ありで、これもよく聴いてます。 多分“sanch”というユニット名で活動していくと思います。 キーボードのエマーソン北村氏が参加してるしね、今までとはちょっと違うニュアン スになりそうです。 ５月の３日、吉祥寺音楽祭、４日、吉祥寺のスターパインズ・カフェは橋本潤とふた りの編成ですが、7日には新宿のバー「ナジャ」でもやるし（こちらは弾き語りか も）、１１日に下北沢の４４０と続くので、どこかで遊びにきてくださいね。 他にはＮＨＫのラジオ８０周年を記念したテーマ曲「Oh、My　Love（ラジオから愛の うた）」に口上で参加しております。 作詞、忌野清志郎　作曲、細野晴臣、うた、坂本冬実　コーラス、忌野清志郎 ……という豪華なメンバーと並んで、感激！ ……あれ？疲れてたけど、音楽のこと考えてたら元気になってきました!! BGMはジュディ・コリンズの“who　ｋｎｏｗｓ　where　ｔｈｅ　times　ｇｏｅｓ”と　ＡGUSTIN　PEREYRA　LUCENAでした。 では、また来週〜とDJ気分で今回はお届けしました。

二〇〇五年弥生六日 ★唐津の海。 アルバムは吉川忠英、キョージ、エマーソン等、超一流のミュージシャンに支えられ良いものになりそうです。 ロケ先の唐津の海より。

二〇〇五年弥生五日 昨日の50才の誕生日は飛騨高山で迎えました。 ドキュメンタリー映画祭のトークイベントのコーナーで篠田正浩監督（元…うーん、抵抗あるなあ）と対談させていただきました。 「舞姫」を壁が崩れる前のベルリンで撮影していた時のこと、「写楽」でのフランキー界さんの思い出、監督の松竹での助監督時代の話…小津組の話は、やはり特に興味深かったです。 スタッフの方からケーキを用意していただき感謝感激！ ところで、また2時間ドラマの撮影で地方ロケの日々……。 佐賀の唐津、福岡……と、またまたしばらく東京には戻れません。今は飛騨から博多へ移動中……いきなりハードなスケジュールの50代のスタートです。