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いらっしゃいませ。
橘井堂主人の佐野史郎でございます。
え? なに? 読めない?
これはですな、「キッセイドウ」と読むのです。
意味はよくわからないのですが、橘(たちばな)や桃はお節句に用いられたりもしま
すから、良薬を汲み上げ、転じて長寿をもたらす所といったところでしょうか?
電脳国際網にて検索いたしますと、島根県は石見の出身、文豪、森鴎外の父静雄が、東京、千住に明治十二年(1879)に開業した医院が橘井堂となっておりますし、製薬会社にもそのようなところがありますな。
やはり医にまつわることのようで……。
「医術は病人を治療することによって、仁愛の徳を施す術である。」
と、辞書にはありますが、かく言う私も、実は同じく島根県は出雲の地、松江市、宍道湖の辺の乃木の地で、元冶元年(1864)より四代続く医院の後継ぎでありました。
その屋号がやはり「橘井堂」というのです。
本来ならば五代目として医の道に進まねばならなかった筈ですが、学業の出来が悪いのをいいことに役者稼業の道を歩んでおります。
さすれば、表現や如何に?
しかし、それでなくとも今の世は、家業を継承するのに決してたやすい時代ではございませぬ。
ならばいっそ、「橘井堂」のその屋号、西暦紀元弐千年の区切りに便乗し、電脳家頁上の故郷にて継いでしまおうと思い立った次第でありまして……。
キリスト様の誕生と、大国主命(オオクニヌシノミコト)や素盞鳴尊(スサノオノミコト)を祖とする出雲の地は一見相容れぬ感もありますが、ナニ、もともともと八百万の神々……。細かいことは抜きにして。
橘井堂主人、佐野史郎の役者稼業を基とする、あれやこれやにお付き合い戴ければ、あなうれし!
ご先祖様もお許しあれ!!
なにはともあれ、この家頁、以後、よろしく御贔屓のほどお願い申し上げます。 |
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西暦紀元弐千年元旦
橘井堂主人 佐野史郎 |
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