橘井堂 佐野
2000年10月26日

ゴジラのいる島――大戸島神獣綺譚
唐突と思われるかもしれませんが、実はこの半年間、少しづつではありますが、書き進めていたのです…。
そう、『ゴジラのいる島……大戸島神獣綺譚』!!!

いよいよ、『ダヴィンチ』にて11月6日より連載開始です。

思えば、映画『ゴジラ2000ミレニアム』への出演が、全ての始まりでした。
ゴジラを愛する私は、俳優としては、いささか力みまくっておりましたが、新たなるゴジラの復活に対して興奮を抑えることができませんでした。
映画の賛否はさておき、「ゴジラとはなにか?」の問いかけに、日々考えが巡るのでした。
そして、ゴジラを考えました。
あらゆるアイデアが、日々、増殖してゆくのです。
思えば、昭和29年、まさに私が母親の胎内にいる時、ゴジラは産声をあげたのでした。
それから45年。
環境汚染、宗教、家族・・・あらゆる問題を抱え込んでいる現代に、ゴジラは何を叫ぶのか、自分のなかのゴジラが、目覚めてしまったのです。

もちろん、始まったばかりです。
なによりも、書きとおす力こそが大切でしょう。
どうか、最後までお付き合いくださいますよう!

先日、東宝本社にて、最終的な打ち合わせと契約を確認してまいりました。
この作品は、あくまでも、東宝映画「ゴジラ」をもとに書かれたものであること。

個人的にも、やはり、原作の香山滋さん、音楽の伊福部昭さん、特撮の円谷英二さん、監督の本多猪四郎さんはじめとする「ゴジラ」を生み出したスタッフの方々に敬意を表してとりかかりたいと思います。
そして、制作の田中友幸さんに・・・。
生前、田中さんはいっさい小説化をお許しになっていなかったのですから・・・。
わずかに、原作の香山滋さんの「ゴジラ」「ゴジラの復讐」、そして武田泰淳さんの「ゴジラの来る夜」があるばかりで…。
身が引き締まります。

この小説は、決して映画化の為に書かれるものではありませんが、「ゴジラ」という、『あのもの』がなければ、生まれるはずもありません。
観てみたい・・・と思えるような作品となれば、更に良いのでしょう。

ともあれ、この企画をお許しくださった東宝さんと、ご尽力いただいた東宝の富山省吾プロデューサーに感謝です。

因みに、「ゴジラ2000ミレニアム」は全米2000館でかかったそうです。
「ハリウッドゴジラはゴジラじゃない!」と、言わしめたとか?
12月にはDVD発売(私も副音声で解説に参加しております)です。
英語吹き替え版も、上映予定があるそうです。

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