橘井堂 佐野
2018年7月17日

植田正治の娘さん"カコちゃん"、
増谷和子さんのご冥福をお祈り申しあげます
これまでに、何度も植田正治さんの写真のことは綴ってきたけれど、家族の肖像ともいうべき植田正治の演出写真の中で”カコちゃん"として親しまれてきた増谷和子さんがお亡くなりになった。
7月16日、死因は脳内出血とのこと。
10年前の2008年には、カコさんの娘さん、仲田薫子さんも40代の若さで亡くなられ、ずっと寂しい想いでいらしたことだろうけれど、植田正治さんの写真世界に残された永遠性に救われる感覚も覚える。

2004年に仲田薫子さんからお誘いいただいた、鳥取県伯耆町、大山(だいせん)の麓に座す植田正治写真美術館 での企画展「松江」のトークイベント。
そこから、一気に写真世界に誘われ、植田正治の写真、小泉八雲の文章、加藤和彦の音楽で構成したショートムービー「つゆのひとしずく」 を監督するにいたり、小説家の柴崎友香さんや雑誌Re:sの編集者、藤本智士さんとの出会いも手伝って、富士フイルムのフォトサロンで初の僕の写真展「あなたがいるから、僕がいる」 を開催し、「りす写友会」 の結成を経て写真展も何度か開催してきている。
そこには、植田正治の写真を愛する、そしてその世界に共振するたくさんの方々のお力があった。
薫子さんは植田正治写真事務所のプロデューサーとして、カコさんは、何より、実際に植田正治のアシスタントとして、現像を手伝ってきた方だ。
ご実家の鳥取県境港の植田写真館では主人の植田正治さんが写真を撮りに出かけている間、カコさんがシャッターを切ることも多かったという。

そうしょっちゅうお会いすることはなかったけれど、薫子さんやカコさん、植田正治さんのご家族には、本当に親しくしていただき、また、多くのことを学ばせていただいた。
心よりご冥福をお祈り致します。

ご著書、増谷和子著「カコちゃんが語る 植田正治の写真と生活」 、ご一読いただき、永遠の植田正治の写真世界を共に!!

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★「カコ」(1949年)植田正治


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★「パパとママとコドモたち」(1949)植田正治


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★「パパとママとコドモたち」(1949)植田正治


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★左から松江南高校のクラスメイトであり「りす写友会」の小川功、仲田薫子さん、佐野。 2008年、六本木FUJIFILMにて。

橘井堂