橘井堂 佐野
2024年5月5日

唐さんのまなざし

恩師、唐十郎の訃報が届く。
思いめぐることが多過ぎて、言葉にならない。
ただ、間違いなく、唐さんの舞台を観たことで、状況劇場に入団したことで、そして退団後も交流させていただけたことで、多くのことを学び、導いていただいたことは間違いない。
過ぎ去りし日は戻ることはない。
けれど、その過ぎ去りし日々あればこその今なのだと、何度も何度も思い知らされる。

20代の劇団時代に、ふとつぶやいた唐さんの言葉を思いだす。
「佐野が『少女と右翼』を読んでるんだよ」
戦後の上野の焼け野原の光景から世界を読み解き始めた唐さんのまなざしから学ぶことは、まだまだ多い。

唐さん、今は、ただ、ゆっくりお休みください。
そして、これからも、よろしくお願いいたします。

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★2017年、紅テントでの唐組の芝居「ビンローの封印」終演後、唐さんと状況劇場初期〜中期の看板役者のひとり、大久保鷹さんと。(明珍美紀撮影)


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★1982年、状況劇場、稽古場にて。左から佐野、麿赤兒さん、唐さん、蜷川幸雄さん ©︎羽永光利


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★同じく左から石川真希、佐野、麿さん、唐さん、朝倉摂さん ©︎羽永光利


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★佐野、麿さんと歌う李麗仙さん・・・昨日のことのよう・・・ ©︎羽永光利

橘井堂