橘井堂 佐野
2020年9月22日

岸部シローさんと斉藤洋介さんのこと

岸部シローさん、斉藤洋介さんと、先輩たちがまた逝ってしまった。
永くお会いしていないし、共演させていただいたのも随分と昔のことです。
それでも、それぞれ、強く印象に残っています。

岸部シローさんは、岸部一徳さんの弟さん。
シローさんは加橋かつみさん脱退後の加入だったけれど、ザ・タイガースのメンバーでもありました。
残念ながらタイガースは、中学の時、観にったら退学!!だったので、行けなかったですが、今振り返ると変な話です。
小中高と、学校生活は楽しかったけれど、やっぱり、勉強は何が楽しいのやら、全くわからなかったな。
まあ、それでも、記憶に残る楽しい授業もあったけど。

シローさんとは「荒野のテレビマン」という連続ドラマでご一緒させていただきました。
テレビ局が舞台の、僕はアニメーション番組担当だったかな?
撮影の合間に、色々とお話しさせていただきましたが、なんと言っても、ウッドストックに行って、あの伝説のロックフェスを体験していたお話には驚かされました。
ウッドストックを体験して、あるいは、アメリカやイギリスのロックシーンを体験して帰国し、70年以降の日本のロックシーンに影響を与えた人たちの存在は大きかったんだろう
な・・・。
音楽そのものというよりも、ファッションやカルチャーの象徴としてのロックだったような気がしなくもないけれど。
数年前に、東京ドームで開催された、オリジナルメンバーによるザ・タイガースのコンサートには行けたけれど、ベースのサリーさん(岸部一徳さん)、ドラムスの瞳みのるさんのグルーヴは、本当に凄かった!!
ゲストで、車椅子に乗って、シローさんも登場し、全員集合。
お姿を拝見したのはあれが最後でした。

斉藤洋介さんの存在は大森一樹監督「ヒポクラテスたち」で知りました。
忘れられない顔立ち、その後も様々な役を演じていらっしゃいましたが、悪役の印象が強いかな?
それもあって、親近感がありました。
なんと言っても、ラヴクラフト原作のドラマ「インスマスを覆う影」の編集長役が忘れられません。
ラヴクラフト に似た顔立ちで、ドラマ全体の水先案内人の役割を担っていらっしゃいました。

これから先、自分だって、どこまで続けられるかわからないけど、だからこそ、一作一作を大切にしなければと、先輩たちとの時間を振り返るたびに思わされます。

ありがとうございました。
合掌。

橘井堂