橘井堂 佐野
2019年5月1日

令和元年

令和元年の始まり。
元号は、明治になるまでは、天皇即位中であっても、天災など、世の中の流れが大きく変わった時に変えてきたと言います。
大正時代には大正12年に関東大震災があり、大正天皇崩御まで、そう時が経たないうちに元号が昭和へと変わったので、まさに時代の変わり目となったわけでしたが、その変わり目は残念ながらとてつもない国民の犠牲を生むこととなってしまいました。
大東亜戦争終戦と共に、江戸まででしたら元号が変わるべきだったのでしょうが、明治新政府以降の現人神であった天皇の人間宣言がありながらも、元号改変に触れられることはなかったようです。
平成も、阪神淡路大震災や、東日本大震災など、大きな災害が何度もあったわけですから、実際には、戦後、平成と、その都度、違う時代に入った体感が、この列島に住む人たちの中にはあったのかもしれません。

今上天皇の生前退位、元号改変は、古来の天皇の辿ってきた道を、今一度遡り、この列島国の来し方を深く考える機会を与えてくださった想いでおります。
振り返れば、平成時代は災害続き。自衛隊のイラク戦争派遣で死者が出たことも、忘れてはならないでしょう。
明仁上皇、上皇后美智子様の想いを受け継ぎ、徳仁天皇、皇后雅子様の令和の時代、ただただ、平和を願うばかりです。

昭和から平成は、五社英雄監督「2・26」の撮影で松竹京都撮影所に通っておりました。
平成となった1989年1月7日は奇しくも青年将校決起の日の撮影でした。
撮影終了後、セットの中で、平成の始まりを祝い、昭和の戦没者たちに対するご供養の想いを抱きながら盃を交わしました。
平成最後の日、そして令和の初日は鈴木茂さんと新しいアルバムのミックスダウン作業。
今回のアルバムは、亡くなられた遠藤賢司さん、ムッシュかまやつさん、加藤和彦さん、大瀧詠一さんといった敬愛する、そして俳優として、表現に関わるものとして、多くのことを教わり、啓示をいただいた方々に対する想いを込めた作品です。
長年バンドを共にしていたベーシスト、橋本潤への深い感謝も込めて。

忘れることのできない昭和から平成、平成から令和の時間、自分の仕事をきちんとできるよう、ますます戒めなければならないようです。


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★平成1年1月7日、松竹京都撮影所にて。五社英雄監督、三浦友和さん、本木雅弘さん、竹中直人さんらと。


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★平成から令和にかけて、鈴木茂さんと。後方にあるビンテージ機材は茂さんの持ち込み。むちゃくちゃいい音です🎶

橘井堂