
2025年3月18日
篠田正浩監督のご冥福をお祈りいたします |
篠田正浩監督が逝去されたとのこと。
少し前に、江東区の小石場文化センターでの「第18回江東シネマフェスティバル〜没後60年を超えて 小津安二郎の遺したもの〜」で上映された、篠田正浩監督「写楽」のトークゲストで参加させていただいた時、久しぶりに映画を観返し、また、「心中天網島」など松竹時代からの作品も観直していたばかりでしたので、監督との撮影の時間を思い返しておりました。
・・・あの快活な監督が他界されたことの実感が湧かないでいます。
篠田監督とは昭和最後の年、1988年に東ベルリンで撮影した「舞姫」が、何といっても印象に残っています。
まさか、ベルリンの壁がなくなる日が来るとは、撮影時には思ってもみませんでしたから。
「カリガリ博士」や「メトロポリス」など、サイレント時代より数々の名作を生み出したDEFAでの撮影の日々は、これまでの俳優人生の中でも屈指の経験です。
喜多川歌麿役でお声がけくださった「写楽」でもお世話になりました。
子供の頃からスクリーンで観続けていたフランキー堺さんと一緒に撮影していたなんて、今思うと、本当に夢のようです。
そんな夢を叶えさせてくださった、篠田正浩監督には、ただただ感謝申し上げるばかりです。
江戸文化を好み、近現代史で起こっていたことと照らし合わせて、それぞれの映画時間を行き来なさっていた印象でした。
それにしても、知性にあふれ、ダンディな監督でした。
岩下志麻さん、お寂しいことと存じます。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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