橘井堂 佐野
2001年2月12日

ミャンマーの蒸気機関車1/1月25.26日
佐野◆NHKの仕事でミャンマー(旧ビルマ)に行ってきました。軍事政権下だから、取材とかは厳しいものがあるんだよね。

―――報道によるとアウンサン・スー・チーさんもずっと軍の監視下に置かれっぱなしみたいだね。

佐野◆タイとビルマの抗争の歴史もあるし、いろいろ政治的な部分では大変な国だね。

―――そんなミャンマーだけど、今回は蒸気機関車の取材だったんだよね。

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★ヤンゴンの寺院
佐野◆世界中の蒸気機関車の番組のミャンマー担当なんだよ。イタリアとかドイツ担当の人も他にいるわけ。
 首都の「ヤンゴン」はかつて「ラングーン」と呼んでいたよね。でも、それは英語の表記の誤解で、実はヤンゴンと発音するらしい。「YAN」という表記を現地では「ラン」と発音するらしいんだけど、「YANGON」はそのまま「ヤンゴン」って発音するんだって。
 でもイギリス統治下にあった時、イギリス人が通常の読み方の「ラングーン」としてしまったため、その後そう呼ばれるようになったらしい。ミャンマーでは、現地の地名と違ったイギリス人が発音しやすい地名にずいぶんとなってしまったみたい。
 まずそのヤンゴンに着き、シュエダゴンというパゴダ(大きな寺院)で撮影しました。でも電飾の仏像があったりしてすごくキッチュだった。綺麗でつるつるしてて、きらびやかで明るいものがありがたいもののようだよ。ワビ・サビではないんだね。

―――ポップアートの寺院なんだ。

佐野◆ヤンゴンは都市だから、まず宿泊したトレーダーズ・ホテルはちゃんとしてて電話もあった。シェーバーや歯ブラシはなかったけど、ソープとシャンプー、ドライヤーはあったね。
 だけど、プロバイダーは軍が管理しているので、サイトは見ては駄目(観光客でも犯罪になるらしい)で、メールのみが使えるというような話しだった。だからコンピュータも持っていけなかったし、携帯電話も無線機も使用禁止だった。更に地方に行くとホテルの部屋には電話もなかったから、どのみちメールも出来なかっただろうな。
 車は日本車のステイタスが高くて、「根本観光」とか「佐川急便」とか日本語のペイントを消さないでそのまま使うのがカッコいいらしい。(笑)たしかにミゼットとか、昔の日本の車まで走ってたよ。日本車は、丈夫で長持ちするんだね。
 次の26日に3時間かけてバゴーに移動し、バゴーから1時間くらいかけてピョンタザという駅に行き、蒸気機関車の取材をしました。ミャンマー製だと言っていたけれど、イギリス製の機関車に色々部品が変わっているだけのようだった。
 この日は中華を食べて、バゴーのシュエワートゥンホテルに泊まりました。ここは部屋にも電話が無かった。シェーバーも歯ブラシもない。

―――細かくチェックしてるなー。

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★ミャンマーのほとんどの人たちが顔に塗っている、白い日焼け止め&化粧品のタナカを売っている露天にて。
佐野◆こういう情報が旅行者には役に立つからな(笑)。他に細かい情報と言うと、駄菓子屋さんの駄菓子が美味しかった。とぐろ巻いたオセンベみたいのとか。

―――他に食べるものはどうだったの?

佐野◆日本だと牛・豚・鶏という値段だけど、ミャンマーでは鶏が一番高い。そして、牛は労働資源だからあまり食べない。鶏はブロイラーじゃないからか、すごく美味い。

―――牛を食べないというのは、インドからのヒンズー教の影響ではないんだね。

佐野◆仏教がメインだけど、イスラム教も少し入っていたような気がする。
 餃子の大きいのみたいなキーマーというのが美味しかったかな。
 バゴーでは夜、マネージャーのナベ氏とぶらついたんだけど、吉祥寺の焼き鳥屋 「いせや」みたいな店に行ったんだ。そこで日本に行ったことがあるというオジサンに話しを聞いたら、タイとかイスラムのことをあまり良く言ってなかった。歴史的な何かがあるのかな。
 物価も全然違う。サイカーっていう、自転車にサイドカー付けたタクシーに乗った時も(二人乗れる)、ナベ氏と「ボラれたな」と言ってよく考えてみたら、日本円にすると60円ぐらいだったりね。(笑)そんな世界だったね。

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