![]() 1999/8/16
オレは小劇場からはじめて気がつきゃ25年も芝居やってんだけど、その間いろんな演劇界の流れというか、流行り廃りがあったわけだよ。19才の頃からシェイクスピアを、別にイギリス人の格好や衣装を着るわけじゃなくてGパンでやってたりね。日本人なんだから、ロミオとか呼んだら、よく考えりゃおかしいわけだ。 なんか、昔の日本語のロックは可能かみたいな話しだね。(笑)
そうそう。(笑)でも、エンケンみたいに自分のリズムでやればいいんだよ。
元絵のない贋作みたいだね。 別に脚本・演出の竹内(銃一郎)さんと話しをしたわけじゃないんだよ。前回だとクレーがモチーフだったんだけど、オレも小さいころクレーが大好きだったものね。最後にかかるエンケン(遠藤賢司)だって、竹内さんが大好きだったからなんだよ。知らない人が見たら、オレが決めたと思うだろうけど、最初から竹内さんが決めてたんだ。そんな好みの部分も竹内さんと不思議と合うんだよね。 白塗りの化粧は、ヴィスコンティの「家族の肖像」とか思い浮かべたけど。
ハイジャックの話しも出てくるけど、本当にこの間ハイジャックがあったりした。
ちょうど、稽古中の事件だったから驚いたね。(笑) どういう違いなんだろう。 唐さんは這ってる。竹内さんは夢と現実を重ねあわせて透かして見ているし、坂手さんは俯瞰して構造として見ている。 携帯電話が小道具として使われたりするけど、本番中にお客さんの携帯が鳴ったりし たんだよね?
「チュニジアの歌姫」の時は、止めようとしたら自分だということが分かるから、自分じゃないとしらばっくれた人がいて、ずっと鳴ってたりした。メチャクチャだよ。テントだったら引きずりだしてるんだけどな。(笑)劇場だと、それで芝居がボロボロになりそうなんだよ。作品を放棄しなければならなくなる。 劇場録画にも問題があったんだって? これはちゃんと書いて欲しいんだけど、某衛星S局が稽古風景から、楽屋まで撮りたいということで了承してたんだ。本番も録画してたんだけど、公演中に撮影スタッフがずっと話しをしてるんだよね。 本番中に? それはひどいねー。
なんか、ガチャガチャ音がするなと思っていたらテープ取り替えてるんだけど、デリカシーなさすぎ! 本番中に出入りするのもおかまいなしなんだよ。上演中に客席で話し声がするんで誰が話してるんだろうと思ったら、その撮影スタッフが話してるんだものね。言語道断!! 珍しく怒りのモードに入りましたか。これは、告発だな。
本番前に客席でその衛星S局の宣伝をしたり、どさくさにまぎれてコソ泥みたいなんだ。制作の人が受け付けで本番前チケット係でてんてこ舞いの時にちょっと耳打ちしたりして! そんなの事前に言っとけよ! 思いつきか計画的か知らないけど、姑息だよなー。でも、そうじゃないって言うんだ。言い番組を作るためにって・・・素材が撮れりゃそれで良いって認めたくないんだろうな。だから、本人もホントニ良い番組のためにって思い込んでるんだ。 つまり、TVメディアに服従しろと・・・。オレはどのメディアにも首突っ込んでるから、どっちが偉いとか言うつもりもないし、思わないけど、今がどの場なのかということが分からない限り、ワイドショー同様、あらゆるこの世の現象はTVを通して観られるべきだという宗教戦争になりかねないね。冗談じゃない! 作品なんだ! 客入れの時から、ワルツの音楽流して演出は始まってるんだからナッ! 台無しだよ!! 楽屋風景を撮るというのもオレは了承はしてたんだけど他の役者サンたちの楽屋まで断りもなくVTR回すんだ。それがドキュメンタリーだって抜かしやがるんだ!ふざけるなっ! これは作品なんだ!・・という両者の見解の違いにもならないおそまつさで、なんか嫌な感じだった上に、本番で騒がれちゃあね。 そのうえあやまりにもこないんだ。翌日、ちゃんと皆の前で説明してくれといっておいたのに、「収録押しておりましてー」とかいって逃げやがるんだ! TVメディアには服従すべきだと、頭では思ってなくてもどっぷりつかり込んでるんだよ。放映してやるという態度を感じたね。こんなことがまかり通っていいわけがない! 主催者側はもっと作品に対して誇りをもって、いたずらにTVメディアに譲歩したらだめですよ!! 確かにたくさんの人に観てもらいたいだろうけど、録画されたものと劇場で観るものは違うものだからね。本来は収録用に舞台を作らなければならないぐらいだよね。
そうそう、全然違うものなんだよ。観てほしいのは実際の舞台なんだよ。 それで、政治犯じゃないけど相手の意図が分かればいいけれども…… 「オレも劇場中継をやってみたかった」とシミュレーションしているようなものだよ。(笑) 今回はギャグもあり、ちょっと鳥肌もののところもあり、かなりクオリティーが高いと思うんだけど。 その割りには、お客さんの入りがいまいちなんだよ。(笑)ひとり芝居(「マラカス」)で鍛えられたから、みんながいると救われるナー。自分が主張しなくても、相手にゆだねるっていうのは愛だよね。そんな愛と癒しと魂と肉体の救済の芝居なんだ。 他の人の台詞の時には気配を消してるものね。 休んでるんだよ。(笑)今回は、みんな自分が自分がと主張しないから良いメンバーだよ。これからは地方公演があるから、是非観に来てほしいな。 |