橘井堂 佐野
2000年4月2日



『五月の唄』
作詞・作曲:夢野ワンダ
あなたがそこにいてくれるなら
目を閉じていても行けるわ
あなたの言葉に傷ついても
わたしはあなたを もっと好きになるわ

ごめんなさい あなたのために
わたしは何もできないの
明日別れるつもりならば
もっともっと優しくして
ねえもっと もっとよ

わたしを見るその瞳の奥
とまどいの光見つけた
そんなに私が嫌いならば
二人の思い出全部消して今すぐ

ごめんなさい あなたのために
わたしは何もできないの
明日別れるつもりならば
もっともっと優しくして
ごめんなさい あなたのために
わたしは何もできないの
明日別れるつもりならば
もっともっと優しくして
ねえもっと もっとよ
お願い



『タイム・スリップ』
作詞・作曲:佐野史郎
古いお屋敷が並んでいる
松の木の葉もきれいに刈られ
もう夏も終わるはずなのに
蝉の声も絶えずに響く

どこからかピアノ練習曲
どこからか子供たちの遊ぶ声

青いもみじの木洩れ陽を抜け
小さいお店でサイダーふたつ
扇風機はカタカタと花瓶を撫ぜて
小さくオーケストラ流れてる

やっぱり夏は終わりそう
空が高い少し眠い



『たんす』
作詞・作曲:夢野ワンダ
ダンス ウィズ ミー
ダンス ウィズ ミー
ダンス ウィズ ミー
ダンス オールナイト ロング WOW WOW

ダブルベッドが収まるくらいの
大きなたんすが欲しいの
その中にあなたを隠しておくの
陽に当たらないあなたは
そのうちだんだん透き通ってきて
きっと見えなくなってしまうでしょう
でもその前に小さなカメレオンになって
鍵穴から逃げてしまうかしら

だってわたしのたんすには
ビロードの赤やレースの白
緑や紫 ゴールドとシルバー
あらゆる色が揃っていて
しかも四面鏡張り
太陽のかわりのスポット・ライト
あなたの体が玉虫色に輝くとき
どんな宝石よりも奇麗でしょう
行かないで

ダンス ウィズ ミー
ダンス ウィズ ミー
ダンス ウィズ ミー
ダンス オールナイト ロング WOW WOW



『秘密の戸棚』
作詞:石川真希 作曲:佐野史郎
そっと心の中で
手をつないで眠ったよ
今日もまた通底器見つけて
辿っていったよ
高い 小さい もどかしい
青い 尖った 柔らかな
いろんな物をかきわけて
あなたの棲み家の隅の隅
わたしはじーっとしていたよ

そっと胸の中に
少しづつ拾い集めて
今日もまた通底器を抜けて
持って帰ったよ
長い 光った 透き通る
丸い 冷たい にぎやかな
こっそり夜中に磨いては
秘密の戸棚に並べてる
あらゆるカケラが宝物よ



『第二理科室』
作詞:佐野史郎 作曲:嶋田久作
乾いた体が浮かんでく
風が吹いてわたしは窓の外
高い木の上から見える
あの第二理科室に住んでた
青い空に吸い込まれ漂うばかり
わたしは胞子 シダに生まれた

どれ程彷徨ったのだろう
わたしの体は変わらない
思い出すあの第二理科室
シダとコケの天国だった
青い空に吹い込まれ昇り続ける
わたしは胞子 星になる



『涙のガランス』
作詞:石川真希 作曲:佐野史郎
ふるえる指でくもった窓の
ガラスを拭けば水滴がこぼれ
指がガラスに融けてゆくの

今でも夢であなたに会って
目覚めた朝はガラスの涙
わたしのハート凍らせないで

わたしはガランス 涙のガランス
涙はガランス 氷のガランス
氷はガランス 溶けゆくガランス

ああこうしてガラスに頬を
押しあてあなたの姿探せば
いつかすべてがガラスに融けて

わたしはガランス 涙のガランス
涙はガランス 氷のガランス
氷はガランス 溶けゆくガランス



『終わりのないフェスティバル』
作詞・作曲:佐野史郎
夕暮れる四つ角に立つと
観覧車が回るよ
燃えるような赤い雲は
はじけて街をそめる
誰も気づかない道の彼方に
終わりのないフェスティバル
呼んでいるよ

夜に輝くメリーゴーランド
森の中で回るよ
月明りの中に飛行機
よぎれば星屑降る
みんな踊ってるここはパラダイス
終わりのないフェスティバル
もう帰らない

みんな踊ってるここはパラダイス
終わりのないフェスティバル
もう帰らない



『ねえ大好き』
作詞・作曲:夢野ワンダ
ねえ大好き あなたと二人だけのとき
そう素敵な あなたとわたしだけの夜
初めて知ったの愛する重さと痛みを

ひとりで風が吹く町
歩いてきたのよ
お願い神様 今夜は
時計を止めて 夜明けにしないで

ねえ大好き あなたと二人だけのとき
そう素敵な あなたとわたしだけの夜
初めて知ったの愛する重さと痛みを

あなたの胸の鼓動しか
もう聞こえてこない
お願い神様 今夜は
時計を止めて 夜明けにしないで

ねえ大好き あなたと二人だけのとき
そう素敵な あなたとわたしだけの夜
初めて知ったの愛する重さと痛みを

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『冷たい紅茶のプール』
作詞・作曲:佐野史郎
ちょっと具合が悪い
体がとてもだるいの
午後の光はとても優しいし
風はそよそよ髪を撫ぜるし
グランドを走る陸上選手も
みんな私を力づけてくれるわ

ただ こうしてベンチに坐っていると
冷たい紅茶のプールの中に
レモンをたくさん浮かべて
泳ぎたいと思うの

とても切ない気分
胸がちょっと苦しい
森の中はとても涼しいし
キラキラ木洩れ陽まつげにからむし
すれ違う観光客たちも
みんな安らかな感じがするわ

ただ こうしてベンチに坐っていると
冷たい紅茶のプールの中に
レモンをたくさん浮かべて
泳ぎたいと思うの



『ねむたい魚』
作詞:佐野史郎 作曲:嶋田久作
ゆれる藻草の中にひそんで
口から泡を少し吐くわ
流れる水はゆれる鏡
尾びれを少しゆらす

あなたは来ないのかしら
背びれがかゆい
あたし眠いわ えらを広げる

よどむ緑の景色をさけ
大きくひれを打ってみるの
生温かな水は嫌い
ウロコをきれいにする

あなたは寂しいかしら
鼻腔がむずがゆい
あたし好きよ 目を閉じる

あなたは来ないのかしら
背びれがかゆい
あたし眠いわ えらを広げる

ゆれる藻草の中にひそんで
口から泡を少し吐くわ
流れる水はゆれる鏡
尾びれを少しゆらす



『感じる機械』
作詞:石川真希 作曲:佐野史郎
濡れた水着のままで浜辺を歩いたの
濡れてねじれた髪もしおからい唇も
今日のことを忘れてしまわないように
神様にお祈りをしたの

わたしはあなたが好き
海に沈んじゃうぐらい
あなたは何も知らない
わたしがいつも一人で
感じる機械を抱きしめていること

砂の上に寝ころびでたらめに歌うの
過ぎてゆく脈博の音にあわせながら
この唄を忘れてしまわないように
心の中でお祈りをしたの

感じる機械を抱きしめながら
感じる機械を抱きしめながら……



『浮かぶ部屋』
作詞・作曲:佐野史郎
何かに誰かに見つめられている
僕らのところに集まってきた
同じ時に気が付いて
目を見合わせるばかりで言葉も出ない

だめだよ窓を開けては
外は通りじゃないんだ
星々の散らばる浮かぶ部屋

話し始めたのは誰からだろう
お茶も飲まずに話し込んでいた
解けずにいた宇宙の不可思議
解けてしまったその時に

だめだよ窓を開けては
外は通りじゃないんだ
星々の散らばる浮かぶ部屋



『梅雨入り』
作詞:石川真希 作曲:佐野史郎
昨日までの陽ざしが嘘のよう
明け方から降ってた雨は
昼過ぎにやんだけど
カーディガンを持って出かけた
ラジオでも言ってた
今日は梅雨入り

幼い頃の友達に電話してみた
まだわたしを覚えてる?
ずっと会っていないけど
何だか急に思い出したの
失恋のような天気
今日は梅雨入り

これからしばらく
こんな天気が続いて
遠い町では
湖に沈む夕陽も
見えないでしょう



『夜の海』
作詞:石川真希 作曲:佐野史郎
夜の海を泳いだなら
月のウロコが背中につくでしょう
夜の海は黒いインク
夢の日記をつけるための
ひとりで泳ぐには広すぎるけど
ふたりで泳ぐには寂しすぎるね

ほら海の底の宇宙では
時が星が眠り
悲しいことも嬉しいことも
遠い昔のことみたい
ひとりで泳ぐには広すぎるけど
ふたりで泳ぐには寂しすぎるね

振り向けば夜の海はキラキラ キラキラ
こんな夜は夢も見れない
漂う光はきっと
黄色いバラのマチエール
ひとりで泳ぐには広すぎるけど
ふたりで泳ぐには寂しすぎるの
ひとりで泳ぐには広すぎるけど
ふたりで泳ぐには寂しすぎるね



『雷の好きな女』
作詞・作曲:佐野史郎
わたしは雷が好き
台風や嵐も好きだけど
この間街を歩いてたら
ビルの向うにチラリと黒い雲見つけた
息が苦しい 髪をかき上げる

髪がはぜるわ危ない予感
指先にチリリとシグナル
行き来する人気付かない
この街角いつでもそうなの
ネガフィルムの色 生温かな風

その時通りはまるでステージの様に
ストロボの中に浮かんだの
風だってゴオと吹いた

わたしは雷が好き
台風や嵐も好きだけど
こうして電気をまとって
踊り出したい今日もシビレルわ
スパーク スパーク わたしはエレキガール



『おやすみなさいの唄』
作詞:佐野史郎 作曲:嶋田久作
そっと目を閉じおやすみなさい
明りを消してあげるから
遠くで聞こえる鈴の音は
あなたをいざなう夢のお供
明日目を覚ましたその時に
きっと聞かせて夢の話
幸せにおやすみなさい

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