「顔」の収録。
雨に祟られ、同じシーンのロケが3回も流れてしまい、現場では「雨男」の汚名を着せられています……ヤレヤレ。
昨夜も、同シーン、4度目のチャレンジをしたところ、やはり撮影しようとした途端に雨が降り出し、自分としても、これは言い逃れができないありさま。
ひたすら頭を下げておりました。
とはいえ、雨の合間を縫ってなんとか収録完了!
7話を撮り終えました。
ふう。
ところで、今回のお話、施設育ちの瑞穂役の仲間由紀恵さんと家庭崩壊の箕田刑事役の私が、お互いに父と娘をダブらせて、事件の解明を目指す家族再生のサブストーリーをも抱えております。
「ああしたらどうだろうか、こうしたらどうだろうか?」と仲間さんは頼もしい限りです。
監督さんやスタッフの方たちとのコンビネーションが、とても上手くいっている組だなあ……と思いました。
そうそう、セットでは刑事役に、益岡徹、升毅、河原さぶの各氏……といった、昔ながらの馴染みの顔ぶれでちょっとした同窓会状態。
積もる話しに花が咲きました。
ところで、セットが早く終ったので、恵比寿に観たかった映画を観に。
「ボウリング・フォー・コロンバイン」と「過去のない男」。
前者はマイケル・ムーア監督のアメリカの銃社会をえぐるドキュメンタリー映画。
9・11が起こった根源に迫り、アメリカで多発する青少年の銃乱射事件の病巣を解いていきます。
特別な一本です。
こういう作品を、子供たちが教育の場で観れるとよいのだけれどな。
「過去のない男」は、アキ・カウリスマキ監督!!
暴漢に襲われ、記憶を無くした男の話しなのですが、切々と染み入りました。
どっか、小津やデビッド・リンチとセンスが重なってるところも好き!
クレージー・ケン・バンドの曲が出てきたのにはビックリしたけど。
一方、「ちいさな中国のお針子」も観たのですが、観ている間や、観終わった直後は「いい映画だなあ」と思っていたのですが、何かひっかかるものがありました。
解放以前の中国の山村。
反動分子と見られる青年二人が再教育のため、その村に送り込まれ、貧民層の労働を体験するというものなのですが、その村で出会ったお針子の女性と恋に落ちていきます。
禁書である外国文学を探し出し、一冊のバルザックの本が村の人たちの運命を変えていきます。
でもなあ〜、なんか、釈然としません。
軟派な男たちが、純真な村人たちの暮らしを壊しに行っただけじゃん!!……という風に見えて仕方がありませんでした。
第一、村人たちの描き方が、顕かに劣等人種といった風で、気になりました。
カウリスマキやマイケル・ムーア監督の眼差しのあとだっただけに、余計にその部分が目立ってしまったのかもしれません。
資本主義が正義で、社会主義が悪といった構造とまでは言いませんが、どちらの考え方を取ってしても権力で優劣を測るものの見方は好きではありません。
もしかしたら、自分のなかに、そういうものの見方が根深くあって、作品に描かれているのではなく、僕がそう観ているだけなのかもしれませんが……。
だとしたら、自己嫌悪。
エラそうなことが言える立場でも、そんな器の人間でもないのは百も承知ですが、続けて映画を見ていて想うところがあり、珍しく感想をば……。
加えて、日本出資、フランス制作、中国映画というチームワーク、ちょっと気になりました。
でも、外国出資の映画って、そんなに珍しいことじゃないしな……。