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二〇〇五年皐月二十六日 昨日は下北沢のスズナリで岩松了さんの「アイスクリームマン」を観たあと、東京フォーラムAホールに。 ブラジル音楽の重鎮、カエターノ・ヴェローゾを聴きに……。 いやいや、あまりの素晴らしさに圧倒されました。 いや、芝居も２０年ちかくも前の初演から観ているので想い入れもあるし、やはり、すんばらしい芝居だあ……と、あらためて舞台ならではの良さをかみしめましたが……。 ちょっと、カエターノにはヤラレタ……。 チェロやウッドベース、ガットギターとパーカッション、ドラムスとのコンビネーションを中心とした音づくりは、ボサノバがサンバの演奏形態のひとつであることを身体でわからせてくれました。 しかし、なんて声なんだ！ う、美しすぎる……。 ニルヴァーナや、スタンダードの゛love　me　tender”をわけへだてずに、サラリと……それでいて繊細に注意深く唄う姿は、表現の最高ステージに立つものだけが体得できるものなのだなあ〜と、感激するやら、我が身を振りかえって打ちのめされるやら……。 アンコールでの「黒いオルフェ」ではおもわず涙……。 ジョアン・ジルベルト、ヴィニシウス・ヂ・モライス、アントニオ・カルロス・ジョビンら、ブラジル音楽の先達たちの偉業を直系で受け継いでいるものたちのみになしうることのできるステージなのだと、実感もしました。 ちなみに、この日はバンド゛sanch”のメンバー全員でコンサートに！ レコーディング中に来日の情報を知り、メンバーそれぞれがファンだったことを知った……という、求心的な体験もしました。 キーボードのエマーソン北村氏はこれまでの来日、毎回行ってたくらいの大ファン!! 終演後、バックステージ・パスをいただいていたので、楽屋へ……。 ベースの橋本潤と僕はちゃっかりCDにサインしてもらいました。 占ないもやるドラムのグレースは感激のあまり、いきおいあまってカエターノの手相を観るありさま……。 ……前世はインドの修行僧だったそうです。 カエターノ氏、うれしそうにしていらっしゃいました。 ……たしかに、ストイックな印象でした。

二〇〇五年皐月二十四日 風邪はよくなったのですが、まだ、なんか咳が少し残るなあ〜。 気候も、なんか安定しないし……。 怒涛のような三月までのスケジュールを終えてからは、かなりゆったりした仕事っぷりです。 君塚組の映画を終え、NHKのBS番組の収録やらナレーションやら……。 先日は、ちょいと南の島にダイビングに……風邪も完治してないのに遊びに行くから、なかなか治んないんだよな〜イカンです！ そんななか、昨日は久々にTBSの緑山スタジオに……。 いやあ……三十代、四十代なかごろまで、ホント、緑山にはよく通いました。 ……今回は緑山とはいってもTBSのドラマではなく、NHKのドラマ。 オンエアーはまだ先のようですが、伊東四朗さんとご一緒させていただきました。 ……楽しかった〜。 その前にご一緒した「ダブルキッチン」はもう十二年も前かあ〜。 ……やはり、すばらしい先輩とのお仕事は嬉しく、また、安心感があるのです。 緑が心地良い季節、はやく体調をもどして、満喫したいもの！ BGMはアントニオ・カルロス・ジョビンでした。

二〇〇五年皐月十四日 なんか、風邪ひいちまって……ヒドかったッス!! 咳が止まんなくて、熱も出て……。 暖かかったり、急に冷えたり、けっこう温度差の激しい日が続きましたものねえ〜、みなさまもお気をつけあれ！ さてさて、LIVEが続いておりましたが、なんとか一段落。 ナジャでは、安保由夫さんとの演奏や、めいなCo．の張紅陽のアコーディオンに、飛び入りの梅津和時さんのクラリネットとのセッションもあったりして楽しかったです。 聴きにいらした方、かなりおトクな感じだったのではないでしょうか？ 下北沢の440では根岸季衣さん、鳥羽潤さんとの対バンで、俳優＆MUSICのブッキングだったのかな……？ sanchとしては初LIVEで、エマーソン北村氏のキーボードが入って、音のかけあいもスリリングでしたヨ！ あがた森魚さんや、山崎ハコさんもきてくださって、うちあげも賑やかでした。 終ったとたんに気が緩んだせいか、風邪ひいちまって……。 昨日はスカパー・チャンネルでオン・エアーしまくる「ずっとあなたが好きだった」 「誰にも言えない」の特集番組の収録だったんですが、咳、止まらなくって……イカンなあ〜。 ……しかし、あれから１２〜３年も経つというのに、けっこう再放送やるし、DVD−BOX出たり……と、時間が経っているんだか、止まってるんだかわからないような、妙な気分です。 はやく風邪治そう！

二〇〇五年皐月八日 『踊る大捜査線』シリーズの最新作の撮影が3ヶ月に渡って続いているのですが、終りました〜。 全体はまだ、あと2週間ばかりあるのですが、僕の出番はアップ!! 何本やっても、終る時はウレシイものです。 君塚良一監督、『MAKOTO』に続いての演出ぶり、すっかり脚本家の顔ではなくなってしまってます!! さてと、今日はこれから予定には書いてなかったのですが、吉祥寺の酒場でＬＩＶＥです。 「撮影が早く終ったら遊びにいくね〜」ってなノリだったので……。 昨日の『ナジャ』での演奏も楽しかったし、11日の下北沢の『CLUB４４０』までバンド・モード……かな？

二〇〇五年皐月二日 5月かあ〜。 花粉も落ちついて、かなり過ごしやすくなりました。 吉祥寺は音楽祭が始まっているようです。 高田渡さんの名前がフライヤーにのっているのがなんとも……です。 ここのところ時間があるので映画をよく観にいってるかな？ 「ベルリン、僕らの革命」はよかったな……。 やっぱり、映画館でシートに沈み込んで観るのがイチバンですね!! ところで、NHK　BS２の「熱中時間」っていう番組のナレーションをちょくちょくやらせていただいてるんですが、先日は声だけでなく、実際にその総集編で、富士山のふもとまで蛾の採集に行ってきました。 蝶ならぬ蛾のコレクターの少女がいて、標本作りなどの教えも乞うてまいりました。 〜いやあ、奥が深そうだなあ……。 実際の採集より、どうしても、蝶や蛾にまつわる「物語」に興味がいってしまうのは、職業がら仕様がないとしても……小学生のころの昆虫採集みたいで楽しかったです。 ヘッセやナボコフ、香山滋……映画の「コレクター」や「羊たちの沈黙」etc……あ、ドラマ「ずっとあなたが好きだった」……文学や映画等、蝶、蛾にまつわるものって結構ありますよね。 なんか、……好きなんだな〜。