今日は五時起き。
どしゃぶりのなか、川崎まで「スタイル」のロケへ。
新しい役に入る時はいつも手探りだ。
デパートの企画会議のシーンなどをいくつか・・・。
石田太郎さん、坂東英二さん、伊藤正之氏・・・モックンといったメンバーで。
今回の役は、善人なのだが、身体がイイヒトをどうしてもやろうとしてしまうようで、イケナイ。
台詞が貼りつくような感覚が気持ち悪い。
好きな脚本や役の時の方がそうなりやすい。
自分とかけ離れた役柄の方が、演技に対して無責任になれていい。
ということは、ワタシハ、イイヒト・・・?
それでも、やはり演技の手探りは楽しいのだ。
ところで、悪人だった「フードファイト」の最終回だが、残念ながら、私が発案したアイデアやセリフのシーンは全てカットされてしまいました。
クヤシイよー!
といいつつ、制作現場の気持ちも良くわかる(大人やねー)。
企画意図に沿った、全体のトーンを崩すようなことをしてはイケマセンネ・・・。
私演じたところの宮園会長が死んで、埋められたお墓はキリスト教のものだったしね・・・。
私の収録の前にお墓撮ってしまっていたし・・・。
もっとスタイリッシュにしなきゃ駄目よ!シローくん!
つまり、こういうことだったのです。
剛くん演ずるところの満と、宮園の二人だけのシーンが台本にはあったのですが、そこで宮園は生い立ちを語っておりました。
まあ、そうなると「おかあさん」の話しなんぞが出てきて、「なるほど」という仕掛け。
自分を捨てた母親への怨念を、りえちゃん演ずるサヤカになすりつけるという、嘘だかホントだか分からない宣言を満にしていたのです。
そうして二人のフードファイト対決の士気を高めていったのです。
シーンの最後のト書きには、「・・・と、不敵に笑う宮園・・・」なんてことが書かれてあって、それらしい雰囲気でしめくくられておりました。
それでは面白くないと、ひらめいたシローくん、ここはひとつ、自分の死を悟っている身としては、ポケットから般若心経を取り出して、唱え出すべきだと考えました。
そう、宮園は既に胃癌でしたからね。
それに戸惑う満との関係は、さらに深いものになると思ったのです・・・・「マーカーハンニャーハーラーミーター・・・」、しかし、カット!
佐藤東弥監督に恨みはありませぬぞ、全ては作品の為!
それでもって、対決のシーンではお遍路さんの格好をしておりました。
これは生かされておりましたが、その衣装の訳には、そんなことがあったのです。
更には、対決のシーンでは、いきなりおにぎり食べておりましたが、この1クールを振りかえると、皆が皆むしゃぶりついていたので、「おにぎり対決」では、違うことをやってみようとひらめいたのでした。
下記は、シローくん、リライト分シナリオ。
フードファイト、スタートする。
満、勢い良く食べ始める。
すると、般若心経が聞こえてくる。
宮園、お経を唱えながらお米を、一粒づつ食べている。
満「・・・なにやってんだ」
宮園「お米一粒つくるのに、お百姓さんは(現場では『農家の方々』の放送規定表現に従いました)一年かかるんだ。感謝しながら食べなくてはいけない。それがフードファイトの精神だ。君もそうしなさい」
満、つくし園の子供たちのことを想いながら、宮園のルールに従う。
が、一粒づつ食べ始めた満を確認するや否や、宮園、出し抜くように、いきなりおにぎりをむさぼり食い始める。
満「卑怯だぞ!」
宮園「バカヤロウ!日本は今、米が余ってるんだ!もっと米問題勉強しろ!!」
以下、続く・・・。
といったものでした。
ま、しょーがないッスね。
「冬ちゃん」のころは、こんなことばかりしてたんですが・・・久々に火が点いたんだけどなあ・・・残念!
また1から出なおしですワ・・・。