桜が咲いて、散る間、色んなことがありました。
娘の八雲は小学校を卒業、そして中学の入学式。
どちらも桜の花の下で……絵に描いたような景色ですが、それはそれで美しいものです。
まあ、儀式好きのところがあるからな……相当、保守的な一面があるからな……。
「冬彦ちゃん」の年に生まれた娘ですから、12年、干支が一回りした実感もひとしおです。
中学といえば、もう、僕は音楽に夢中になっていました。
ビートルズの「サージェント・ペパーズ〜」が出た年、深夜放送「オールナイト・ニッポン」が始まった年、殊に糸居五郎さんのDJにハマリ、ビートルズは勿論、ストーンズ、ジミヘン、ドアーズ、クリームetc……ロック三昧でありました。日本の音楽シーンも面白く、フォーク・クルセダーズやジャックス、遠藤賢司……タイガース、スパイダースといったグループ・サウンズもミーハーに聴きまくってました。
娘も親の影響か、ビートルズやくるりを、ギターでポロロンとやってます。
ところで、16日と23日放送(テレビ東京、深夜1時から30分番組)の「男達の風景」のロケや、ドラマ「ヴァンパイア・ホスト」、脚本家の君塚良一さんの初監督作品「MAKOTO」等々で、追われ、なかなかUPできずにおりました。
ゴメンナサイ。
「男達の風景」は、オトナの男(?)のこだわりを扱った番組。東京ローカルなので、観られない方も多いと思いますが、ケーブルテレビなどに加入されている方なら観られるかな?
そうくると、やはり、音楽!
高校時代、松江の喫茶店MGに溜まってた仲間たちとは、随分と情報交換をしていました。
島根大学や高専の学生さん、僕が通ってた松江南高校のみならず、北高、商業、工業、女子高等々……音楽好きが集まっては、ワイワイやっておりました。
夏休みに先輩たちが東京や大阪から帰ってくると当時はなかなか入手できなかった輸入盤を聴かせてもらったりね……。
「イッツ・ア・ビューティフル・デイ」「マシューズ・サザンコムフォート」「ポコ」etc……お店の可愛いおねーさん、“あっちゃん”のこだわりもあって、松江の音楽好きは、結構ススンでいたと自負しております。
★エンケンと中津川フォークジャンボリーの地・椛の湖にて。
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そんななか、毎日かかっていたのが「はっぴいえんど」と「遠藤賢司」。
「はっぴいえんどうけんじ」なんて言ってました。
だから、今年、「はっぴいえんどBOX」や遠藤賢司さんのベスト盤がリリースされるのも、とても他人事ではないのです。
「はっぴいえんどBOX」ではバッキング音源集の選曲と解説もやらせていただいて……まさか、こんな日が来るとは……。
どちらかというと……いや、当時の音楽状況からいうと、彼等のファンはかなり少数派のでしたからね〜。
吉田拓郎や井上陽水のファンが、まあ、フツーのフォーク・ファンで……。
こちとら、ハナから、フォークだのロックだの分けて聴いてなかったから、随分と肩身の狭い思いもしましたが、MGでは大手を振って聴いておりました。
で、そのMGに高校時代の僕等が組んでたバンド「WIND CITY」が4人共集結し(アズキ、エカ、メガネ、サノ)、久々にスタジオ入って音出したり、エンケンさんにも来ていただいて、MG裏でミニLIVEやってもらったり……あっちゃん、感激してくれて、僕も嬉しかったです。〜何時もお世話になってばかりなのですが……。
松江では、湖の波の音や枕木山っていう山に登って自然の音をカセットで採集したり、鉄道や踏み切りの音を録ったり……。
エンケンと一緒にあちこち散歩しました。
そうそう、そういった、僕の気になる音を集めて、3分間のサウンドコラージュ作品を作る……という企画でもあるのです。
★エンケンと椛の湖にて。
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で、エンケンの名曲「夜汽車のブルース」に感激していた高校生の僕は、生の「はっぴいえんどうけんじ」を観、聴くために、71年当時、中津川フォークジャンボリーに出かけたのですよ!!
その軌跡を追うように、エンケンと夜行列車に乗って、中津川まで行き、当時の会場岐阜県恵那郡坂下町椛の湖畔でエンケンに「夜汽車のブルース」を歌ってもらったのです。
もう、贅沢三昧!!
ちなみに、MGもエンケンもデビュー35周年で、奇しくも35周年対決でもありました。
2週目の収録は、「はっぴいえんど」の松本隆さんと、青山、麻布界隈を散策。
名盤「風街ろまん」縁の風景を求めて、路地裏を歩きました。
作詞家として、巨匠の松本さんですが、ドラマーとしても、素晴らしかったんですよ!!
松本さんと、僕との共通項は、乱歩、つげ義春、そして、母方の実家が共に写真館であること。
東京オリンピック以前の東京の風景に育ったこと……。
最初からすんなりと、「風街」に入っていったワケがわかったような気がしました。
都内では数少ない、路面電車に一緒に乗ったり、おばけ煙突跡に行ったりね。
エンケンも松本さんも、共に、音と言葉を分けずに捉えているところに惹かれます。
そうです、映像も音もなにもかも、震え、振動しているのですから、同じです。
しかし、3分間のコラージュ作品の編集には手間取りました。
撮影関係なく没頭してしまい、17時間もスタジオに入っておりました。
おじいちゃんの柱時計のコチコチをリズムにベースを重ねて……まあ、お楽しみに!
今度のLIVEのリハ風景を地元吉祥寺の「のろ」で撮影もして……28日のLIVE、覗きにきてね!!
★4月28日(水)マンダラII「佐野史郎の音楽鉄路vol.2」JR中央線/井の頭線「吉祥寺」下車 南口徒歩2分
東京都武蔵野市吉祥寺南町2-8-6 Phone:0422-42-1579
ところで、中津川のロケを終えて、東京に戻る途中、翌日がOFFだったこともあって、諏訪で降りたんです。
ゆっくり温泉でも入ろうかな〜って。
ドラマ「青い鳥」や、僕の監督作品「カラオケ」のロケ地ですし、お世話になった方々に久々に遭いたくなって……。
そしたら、ナンと!!……知らなかったんですが、その日から7年に一度のお祭り「御柱(おんばしら)」だったんです!
呼ばれました!!!
「カラオケ」の1stシーンは御柱から始まりますし……ということは、あれから7年経ったということ……。
ところが……です、御柱のタタリじゃあるまいとは思うのですが、腸感冒にかかってしまいダウン。
結局、宿で寝たきり……TVで中継を観るありさま……。
なんでも、出雲と諏訪は親戚関係。諏訪大社、出雲大社の歴史は、深〜い因縁があるそうなのです。
出雲から直接信州に入ったのがいけなかったのかな〜。
まあ、35年を数日でかけ抜けたのですから、身体にくるのも尤もかな……と。