高田渡さんの葬儀にマキといっしょに行って参りました。
春らしい、青空で……。
吉祥寺の、渡さんが通った焼鳥屋「いせや」の傍の教会で……。
奥様がクリスチャンで、今月になって洗礼を受けられたそう……。
“パウロ高田渡”というクリスチャン・ネーム。
いただいたカードには「たとえ、遅くなっても、待っておれ。それは必ず来る、遅れることはない。(ハバクク書2章3節)」
と記されておりました。
「死は必ずやってくる」「あせるな、いそぐな、まっていろ……」との神父さんのお言葉も、ここのところずっと銘にしていることでもあり、不信心の身でありながら、かみしめました。
渡さん自身は生前、「死ぬ時に『ナムアミダブツ』と唱えてやる!」……と相変わらずだったようですが……いかんせん、身体が動かないことには……。
でも、神父さんは渡さんにとって、焼鳥屋「いせや」のカウンターが祈りの場だった……と本気でおっしゃっていましたから……ワタルさんも神父さんも、みなさん、カミとは、信仰とはなにかを、さすがにわかってらっしゃる!!
おみそれしました!! ……といった心境です。
筑紫哲也さんのお別れの言葉、息子の漣さんの御挨拶、どれもみな、素敵でした。
「それにしてもはやすぎる……」……筑紫さんの言葉はみなの気持ちを代表していました。
奥様ばかりは……気丈にしていらっしゃいましたが……。
友人、知人、飲み仲間、仕事仲間……何百人もの人がお別れに集まって、賑やかで良かった。
筑紫さんのお別れの言葉の間も、渡さんのエピソードで笑いが起こったり……。
漣さんの「でも、どうしようもないオヤジだったことも忘れないでください」と、偉大な表現者の面ばかりが伝説となって一人歩きしないように釘をさしていらっしゃいましたが……これには場内、大爆笑!!
こんな葬儀ははじめてです。
死に顔も酔っぱらって寝ているだけのような……?
遠藤賢司、西岡たかし、中川五郎、三上寛、大塚まさじ、佐久間順平(敬称略)……とても列挙しきれないほどの昔からの仲間も集まって……ワタルさんも嬉しかったはず。
坂崎幸之助、キセル(敬称略)……彼等の洗礼を受けた世代、またその次の世代の顔も多くみうけられました……まさに音楽家のなかの音楽家!
ワタルさんは昼間っから酔っぱらってる印象が強いけど、井の頭公園でギターの練習、欠かしていなかったことも忘れないでください。
出棺の時には映画「タカダワタル的」でラストを飾った「私の青空」が流れ、手拍子と拍手とともに賑やかに送り出されていきました。
でも、やはり、みんな、涙は止まらず……。
ワタルさん、さようなら。
残してくれた音源、いつまでも大切に聴いてますね。
アーメン(ナムアミダブツ?)。