18日初日の舞台、『シャケと軍手』の稽古の日々。
本番1週間前・・・なんともいえない、この感じ・・・。
畠山鈴香の元カレ役の佐野、秋田弁とも格闘しております。
いつもの新転位・21の芝居とは違ったアプローチもあり、映画のような感じもあります。
中野光座は、元々、映画館ですから、フイルムではなく、生身で映画のシーンを生きる感覚・・・とでもいいましょうか・・・?
昭和30年代、40年代くらいまでは、そういや、ピンク映画館(死語?)の看板に「映画と実演」なんて書いてあったこと思い出しました。
そりゃ、エロ映画とストリップの実演のことなんですが・・・。
そんな場末の映画館で、現代のありようと向かい合う時間は、かえがたいものとなることは間違いないでしょう。
芝居を始めたころ、ストリップ劇場で、ストリップショーの合間にやる芸人さんたちの凄さや、ストリッパーが、裸になる裏の楽屋で、哲学書をひもといている姿のことを聞き、「なぜ舞台に立つのか?」が大切なのだと教わったことも思い出しています。
映画と言えば、昨日は、来年、1月24日公開の君塚良一監督の『誰も守ってくれない』の完成披露試写があり、その記者会見や舞台挨拶に行って参りました。
面白いです!
ドキュメンタリータッチで・・・とはよく言われる映画作品へのアプローチのひとつですが、元々映画とは、俳優や監督、スタッフの方たちが、その作品をどのように受け止めているか・・・を切り取ってみせるドキュメンタリーに他ならないと思うのです。
殺人事件を起こした少年の家族をマスコミや世間から守る警察側・・・刑事と、容疑者の妹の道行きは、家族のあり方を浮かび上がらせてくれています。
佐藤浩市さんと、志田未来ちゃんの演技、必見です!
君塚さんは、この作品でモントリオール国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞。
おもえば、ドラマ『ずっとあなたが好きだった』や「世にも奇妙な物語」の『急患』など、家族や、人間の本質にえぐりこむような作品で脚本家としておつきあいさせていただいてきましたが、また、君塚監督作品3本にもすべて出演させていただいていますが、二人には共通項があり、ルーツは円谷英二監督。
『ウルトラQ』や『ウルトラマン』を観て育ち、そこから脚本家を目指したというのですから、ウルトラシリーズのメインライターだった金城哲夫役をドラマでやらせていただいたこととも重ねて奇しきご縁を感じています。
この作品では、佐野は出世を狙う暴力犯係の係長を演じておりますが、警察の体質を現す、いわば地塗りの役割。
演じていても、演出部として演じている感覚の方が強かったかも・・・これもまた、俳優の喜びのひとつです。
君塚監督、『シャケと軍手』のサイトも覗いてくださっていて、山崎哲さんのモノの観方にもいたく共感されていらっしゃいました。
実際に起きた殺人事件を扱った作品だけになおさら、舞台にしろ、映画にしろ、ちゃんと受け止めなければ・・・。
作品は捧げもの・・・と、あらためて想いました。
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