昨年、7月に小泉八雲=ラフカディオ・ハーンの生まれ故郷ギリシャ、レフカダ島、そしてコルフ島で行われた朗読ライブ「望郷」も、先日、銀座ヤマハスタジオにて、無事、凱旋国内ツアーを全て終えることができました。
松江を皮切りに、奥出雲では演目は今回のツアー「望郷」ではなくハーンが出雲大社を訪れた時のことを軸に構成した「神話」でしたが、それも含めると、越谷、尾道、神戸、焼津、富山、銀座と、ギリシャから10ステージ!!
回数を重ねると、練れてきて良い部分と、慣れて油断してしまいそうな落とし穴もあり、初演とはまた違った緊張感がありました。
けれど、思いっきり演じる部分と、事実しか言わないように抑えるところの神経が巡り、山本恭司のギターにも導かれて、最後までどのステージも新鮮でした。
ギリシャでは西林万寿夫大使ご夫妻に歓迎していただき、レフカダ島でのラフカディオ・ハーンの記念館オープンに絡めた今回の公演やシンポジウムにもご尽力いただきましたが、銀座ではギリシャ大使、一等書記官、そしてアイルランド大使ご夫妻にもお越しいただきました。
この朗読ライブを通してラフカディオ・ハーンのまなざしが国を超えて大切なものと、共有できれば、ハーンも喜んでくださることだろうと信じます。
まあ、あまり力まないように・・・とは思いつつも。
「言葉」の「意味」の垣根を越え、「音」と「気」が国や文化、風習を越えて伝わることを実感した今回のツアーでありました。
監修、講演の小泉凡さん、小泉祥子プロデューサー、高校の演劇部やシェイクスピア・シアターからの永き縁、舞台監督、演出効果を務めてくださった錦織伸行さん、そして相方のギター、山本恭司!!!・・・素晴らしい仲間に巡り会え、こうして松江が導いてくれた小泉八雲の朗読ライブを続けられていることに心からの感謝を!!
こうした作業を続けさせていただいている松江市、観光振興部のみなさまにも心からの感謝を!!
「心の豊かさ」は目には見えないかもしれないけれど、みんなで「救い」の想いを共有できればいいな・・・と願いを込めて。
そう思ったのも、4年前の震災以降、上演しなかった「生き神」を、今回は神戸での公演でエキストラとしてやったことも大きかったです。
銀座でも、2日とも上演しました。
「生き神」は「稲村の火」として戦後しばらくまで小学校の教科書に載っているほど知られた物語でした。
和歌山の広村で起きた、安政の大地震の時の津波のことを元に綴った教訓譚。
「TSUNAMI」は、ハーンが世界に知らしめることになった言葉だったのです。
村の長老さえ見たことも体験したこともないけれど、その長老のさらにおじいさんが、子供の頃に体験した津波のことを話してくれていたのを覚えていて、急激に引いていく潮が、津波の前兆に違いないとわかり、秋祭の準備に浮かれる村人たちを、村の全財産とも言える、高台の刈り入れたばかりの稲村に火をつけて「何事!?」と、村人全員を浜辺から高台に導き救ったお話。
山本恭司の生み出すギターの音や効果音は、震災前に生み出され、上演したもの。
震災で、東京にいる我々は、テレビモニターから流れる映像を見るばかりだったけれど、小泉八雲も見たわけではないだろうに、なぜ、ここまで正確に描写しているのか?・・・と不思議なほど。
キョージの音響効果と相まって、読んでいても本当に潮に飲み込まれそうで、思わず合掌した。
・・・そう、これは、今は、震災で、津波で亡くなられた方々への、追悼の、鎮魂の物語り。
伝えていかなくてはならないことだとは思いました。
映像は、確かに事実を伝えてくれるかもしれないけれど、あの光景を見るたびに言葉を失ってしまいます。
語ること・・・との違いを想ったりもしました。
さて、ドラマ「警部補・杉山真太郎 〜吉祥寺署事件ファイル」の撮影も最終回のセットを終え、あとロケ撮影をわずかに残すのみ!!
色々ありましたが、最後までねばるぞ〜。^^”
さあ、いよいよ、さらば50代!!
★小泉八雲の曾孫、小泉凡さんの講演からステージは始まります。©森島興一
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★山本恭司の音楽に誘われて、幽玄の世界へと・・・。©森島興一
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★巧みに操るキョージのギターテクニック!!©森島興一
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★ハードディスクに収められた数々の音源とギターのバランスをとりながら・・・けっこう大忙しのキョージ。^^"©森島興一
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★以前より、朗読しながら客席を見渡すようになったかもしれない。
でも、あくまでもハーンの言葉と音を頼りに、イメージを逃さないように・・・。
しかし、おっさん、だいぶハゲたな!!^^"©森島興一
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★「生き神」で村人が稲村の火を消そうとするのを止める場面・・・もはや、これ、朗読じゃないか?^^"©森島興一
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★津波が襲いかかる轟音の渦の中で、思わず合掌。©森島興一
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★「望郷」最後の物語を終えて・・・夕陽はギリシャではなく、松江の宍道湖の夕日。©森島興一
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★「望郷」ラスト。ヘルンさん、最後まで見守ってくださり、ありがとうございました。©森島興一
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★最後は、ハーンが子供の頃に好きだったアイルランド民謡”Bilieve me”を3人で演奏。使っている楽器はもちろん、全員、ヤマハ!!©森島興一
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★ギリシャ凱旋記念国内ツアー、各地の入り口に置かれていたバナー。こちらも、おつかれさま!!^^
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