雑記帳 二〇二四年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二三年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二二年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二一年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二〇年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十九年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十八年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十七年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
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二〇〇九年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇八年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇七年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇六年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
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橘 
井堂二〇〇九年如月二十七日

今週は、撮影はなく、ひさしぶりに家でゴロゴロしてます。
机の上の台本を、まっ先に読むことから一日が始まればいいのですが、机に向かってPCに向かってメールの返信したり、思い立って手紙書いたり、写真の整理を始めたり、カメラを取り出して、次はどれで撮ろうかな・・・などと手に取っているうちに、フジフイルムのクラッセの速写ケースが欲しくなりネットで注文したり・・・時間があるのも、問題ですね。
赤瀬川源平さんじゃないけど、用もないのに(?)中古カメラ屋さん覗いたり・・・そしたら、掘り出し物があったりするんですよ〜!!!
これが、コワイ!
夕方、会社帰りのオトーサンたちが、模型機関車店や、楽器屋さんや、カメラ屋さんで、奥さんにビクビクしながら好きなものを手にしてため息ついてる姿、なんとも言えません〜。
家に帰れば、デジカメプリント、ネットで注文するのと、自分でプリンターでやるのと、質と値段と、時間との兼ね合いを考えると、何が一番いいか・・・とか考えてるだけで、平気で時間が過ぎて行きます。
やれやれ。

ちまちましててもしようがねえ〜!!!
と、映画を観たり、ライブに行ったりしています。
あがた森魚さんのライブ「あがた森魚とZIPANG BOYZ號の一夜」は神田の九段会館で。
趣のあるレトロな建物はあがたさんの世界にピッタリでした。
ミュージシャンたちも、はちみつぱいやムーンライダースなど、あがたさん縁の方々が勢揃い。
名盤「日本少年」の完全再現は、細野晴臣さんらの欠席で実現しませんでしたが、矢野顕子さんや鈴木慶一さんらとの演奏は、あの、1976年にタイムスリップしたかのようでした。
驚いたのは、「清怨夜曲」「最後のダンスステップ」のゲストに緑魔子さんが登場したこと!
台詞もバッチリ聴けました!
一昨年の暮れ、新宿PIT INNのライヴでご一緒させて頂いたとき、もう、そうそう、魔子さんの歌声は聴けないだろうな〜と思っていたので、感激でした。
得した〜。
楽屋は覗かずに、そっと帰路につきました。
あがたさんとは、1984年からのおつきあいですが、遠藤賢司さんと共に、僕を映画の世界に誘ってくれた、まさにその人。
「夢みるように眠りたい」の手品師の役、そのままに、あらかじめ用意されていた映画館に導かれ、今日も雨が降るなかを、スクリーンのなかを、僕は傘もささずに彷徨っているのかもしれません・・・。
・・・などと、雑文さえも、あがたさんっぽくなってきたので、ロックンロール!!

そう、内田裕也さん沢田研二さんの奇蹟のツーショットが実現したライブ、「決めてやる今夜」に駆けつけました!!!
こちらは、元、渋谷公会堂のCCレモンホールにて。
昨年末の東京ドームでの還暦記念コンサート「人間60年 ジュリー祭り」の感動も冷めやらぬなか、またまた、凄かった〜。
とにかく、最初から最後まで、二人ともステージに居続け、片方が歌っている間もステージにいて、じっとその歌を受け止めている姿は、美しかったです。
セットリストも、ほとんどがロックンロールのスタンダードで占められ、稲妻のように駆け抜けて行く姿に、遠藤賢司さん同様、「年をとったとか、そういうことじゃない」ことを、体現なさっていました。
こういう先達がいらっしゃるので、50過ぎたばかりの若輩者は、まだまだ立ち向かってゆくばかりなのだと、奮い立たせられます!!
個人的にはビートルズの「アイム・ダウン」、キンクスの「セット・ミー・フリー」にはヤラレました〜!!
裕也さんの「朝日のあたる家」につながるあたりは、加瀬邦彦さんの構成・演出も、バッチリでした。
加瀬さん、アンコールにも登場なさって、ワイルドワンズと、フラワーズとタイガースのメンバーが揃い、日劇ウエスタンカーニヴァルの再現!?ともなり・・・かなり、贅沢な時間でした。
途中、アコースティック・セットがあって、ここでの裕也さんの「ビー・ヴァップ・ア・ルーラ」は筋金入りで、エルビスやジョニー・キャッシュ等、コアなロカビリーの・・・いや、ジャパニーズ・ロカビリーの神髄に触れた気がしました。
裕也さん自身は、「フォークはしみったれてて駄目」「ロックンロールで突っ走ってていいだろ!?」というような言い方をなさいますが、ちゃんと「ロックだろうが、フォークだろうが、演歌だろうが、要するに、ココ(?、魂、心)ですよね?」と問えば、「そう!」と、応えてくれる、まっすぐな心根の方だと思うんです。
一緒にいると、唐十郎さんといる時と同じ様な気配があって、どこか、なつかしく、ホッとする自分がいるので、妙なものです。
しかししかし、それにしても、ジュリー、カッコ良かったです!
また、一時期より痩せたような・・・。
ゴールデンカップスのデイヴ平尾さん、カーナビーツのアイ高野さん、テンプターズの大口ヒロシさん・・・GSのスターたちが次々と亡くなられてしまいましたが、今回のステージに触れて、懐メロやセンチメンタリズムではなく、あくまでも現在進行形の身体に、揺さぶられました。

以前、裕也さんに「佐野、お前って、ロックだよな?」って言われたので、「ロックです」と、まあ、本当に、好きだし、そうなので答えただけなのですが、それで終わった会話が忘れられません。
今回も、ステージが終わり、ドラムのグレースを訪ねていき、沢田さんや裕也さんにもお会いすることができて、その、迷いのない姿に触れられて良かったです。
裕也さんは娘婿の、本木雅弘さんの企画、主演作品の「おくりびと」がオスカー受賞した直後ということもあり、なにかが降臨しているかのようなエネルギーに溢れていました。

今回の、サプライズは、裕也夫人の樹木希林さんが久世光彦さんのドラマ「寺内貫太郎一家」で毎度おなじみだった「ジュリー〜」のパフォーマンスを、舞台上で披露なさったこと!
メンバーも知らなかったらしく、ホント、ビックリ!でした。
緑魔子さんと樹木希林さんのビックリ2連発には、完全にノックアウト!

ところで、楽屋を出ようとしたら、裕也さんに呼び止められ「一杯飲んでけよ!」
渋谷の夜景のなかで、しばし、余韻を楽しみました。

さ、明日は加藤和彦さんと坂崎幸之助さんの「和幸」のライブだ〜。
ニューアルバム「ひっぴいえんど」って、色んな容赦のなさがあっていいなあ〜。

え?節操無さすぎ?
何とでも言ってくれ!!
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橘 
井堂二〇〇九年如月二十四日

「おくりびと」、アカデミー賞・・・(日本のじゃなくて!)、外国語映画賞受賞おめでとうございます!!!!
滝田監督の手腕もさることながら、やはり、本木雅弘さんの想いが結実した・・・という印象ですね。
先月、日活のスタジオでドラマの記者会見があって、会ったばかりなので、いっそうまぶしく感じます。
「おくりびと」は、当初、企画が通らずに、立ち上げには時間がかかったようですね。
それを実現させた底力、多くのスタッフに支えられてのことではありましょうが、本木さんの企画と聞き、唸らされました。
・・・というのも、まあ、色々な俳優さんがいらっしゃるので、一概には言えませんが、やはり、俳優であるかぎり、演じていて共感できる役柄に出会いたいもの。
「わかる」・・・ということは、決して説明できることばかりではなく、いや、むしろ、なんだかわからないけど、「この感覚、わかる!」と肉体をわしづかみにされるような感覚に捕われたときにこそ、動き出すもののような気がします。
韓国でもヒットしているようですが、その死生観の違いが新鮮だということ・・・国や、土地、文化の違いは、作品を生みだす上で、とても重要なものだとは思いますが、どこにいても、ひとりひとり感性は違うのでしょうから、その、ひとりひとりに、作品の持つ力が届いている・・・ということなのでしょうね。
・・・もちろん、本木さんは、ただただ納棺師の役を演じたかったわけではないのでしょう。
きっと、どの役でも、まるごと「作品」として受け止めていたはずです。
その、大きな力が、あの演技を導いていたのでしょうね。

共感しようがなんだろうが、与えられた役を、監督の指示に従って、己を捨てて、道具として機能させる喜びも、俳優にはあるのですが(たぶん)、今回の作品の成り立ちと、注目のされかたには、清いものを感じ、愚直に己の想うことを貫くことに対する勇気と希望を与えられましたような気がします。

本当に、おめでとうございます。
「おくる」人のなかには、たしかに、想えば、今も、ここに「います」ものね。
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橘 
井堂二〇〇九年如月十九日

いやあ〜昨年末から続いていた、ローマでの映画の撮影、やっと終わりました。
全体は今月いっぱいかかるようですが、全編ローマロケの映画、やはり色々と大変なことが多かったようです。
異常気象で、大雨に見舞われたり・・・。

けれど、イタリア人スタッフ&キャストとの共同作業は、かなり面白かったです!!

今回は、ないと思っていたチネチッタの撮影所でのセット撮影もあり、感慨深いものがありました。
イタリア人俳優たちとの共演も、なかなかに楽しかったです。
イタリア語の意味は、もちろん、事前に台本読んで、相手の台詞が何を言っているかは、わかっているのですが、出て来る音の意味を、瞬間瞬間わかっているわけではないので、とにかく、音に反応するしかなく・・・ライヴでセッションしてる感じでした。
「意味」より「音」を!・・・と、演じるうえで何が大切かを、あらためて感じた現場でもありました。

ローマのホテルで、ニュース見てたら、なんか、日本の政治家の、ただならない映像がくり返し流れていて・・・。
それもそのはず、ローマでのG7の記者会見ではありませんか!!!
ワインの飲みすぎには気をつけましょう!・・・で済まされる問題じゃあありませんよね。
実は、今回の映画と、設定が無関係ではなく・・・。
イタリアでの、日本人に対する感情は、かなりあたたかいものがあるように感じたのですが・・・国と国・・・とはいっても、結局、ひとりひとりの繋がりですからね・・・。

そしてそして、帰国してみれば、鈴木茂容疑者!
大麻所持で逮捕!!
シゲルさあ〜ん!!
昨年、ライヴでご一緒させていただいたばかりでしたし・・・茂さんのいた「はっぴいいえんど」は’70年当時、ロックミュージシャンたちの、「酒やドラッグに浸るのもロックのうち」・・・というような通念から離れて、酒も飲まずに、楽屋ではお茶飲みながら出番を待っていた・・・という、老成ぶりの伝説が残っておりますが、時代に逆行するかのような、今回の報道・・・。

また、良い音、聴かせてくださいね!

今回のローマ滞在は短期間でしたが、帰国する日、出発も遅かったので、前回、ボマルツォに行ったときに列車の車窓から覗けた、bracciano(ブラッチアーノ)という、湖ベリにお小高い丘の上にお城の建つ、おとぎばなしのような街に、どうしても行ってみたくて、早朝からひとりで出かけました。
本当に美しい街で、狭い路地裏を歩いているだけで、落ち着いて、心和みました。
猫が多くて、猫街のお城・・・なんて、童話の世界の配役をいただいた気分で、散歩してました。
丘を下って湖ベリに出れば、とても綺麗な水・・・。
諏訪湖よりは大きいけど、琵琶湖や宍道湖ほど大きくはなく・・・湖ベリの街には、特別な想いを持ってしまいます。

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白鳥もいました。対岸の街も気になります。

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★リガトーニ、絶品でした! (左)/シンプルなイカと海老のフリッタ(右)

湖畔のレストランで食べたパスタ・・・きのことグリーンピースの入ったクリームソースのリガトーニが絶品!でした。
ローマのどこで食べたのより美味しいパスタでしたよ〜!!
イカと海老のフリッタも、カリッと揚がって、レモンをしぼって、ビールと白ワインでいただきました。
いやあ〜美味しかった〜!
記者会見もなかったですし(?)、湖面を見やりながら、ひとりでボオ〜っと、ゆったりとした時間が持て、思い立ったら動いてみるもんだな〜と思いましたです。

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ブラッチアーノの湖、きれいな水です。

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橘 
井堂二〇〇九年如月十四日

かつて通い慣れた緑山スタジオに四日間監禁されておりました!!
放送は6月頃のNHKの土曜ドラマなのですが、UNHCR〜国連難民高等弁務官事務所〜を舞台とした作品。
俳優をやっていて、色々な分野に触れることができることで、どれほどこの身がつきうごかされることか!!!
「運動」には警戒心を持ち続ける身ではありますが、足元を見つめ直すことからしか始まらない・・・と、カメラや客席の前では必ず思い知らされます。

佐藤真監督のエドワード・サイードを追った"OUT OF PLACE"以降、若松孝二作品を振り返りもし、「難民」という言葉では言い表すことのできない漂流する魂と肉体のことを、想ってしまいます。
僕ならば、まずは数千年前の出雲の地を想い、現在の日本と無関係ではない・・・と巡らせ・・・。

知らないこと。
情報の選択が、自由なようで、実は巧みに編集され、選ばされていること・・・。
見聞を広めるのではなく、微細に目の前のことを凝視することからしか、身体感覚は目覚めないとは想うのですが・・・。
水と、食料と、寝る場所があることに、今宵、まずは、深く感謝します。

UNHCR http://www.unhcr.or.jp/

さ、明日から、また、ローマ!
ローマ帝国も大変だったろうな〜と、つぶやく己の平和ボケに、カツを入れたいところ。

行って来ます!!
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橘 
井堂二〇〇九年如月九日

1月の24日に出国して、2月2日に帰国。
ローマでの撮影の第2弾に出かけておりました。
今回はラスト近くのクライマックスを迎えるシーンで、100人ほどのエキストラをお迎えし、ローマ在住の日本人とイタリア人のみなさまのご協力がなければ成立しない場面でありました。
両国の文化や仕事を通じて、本当の意味での交流ができたのではないか・・と、濃〜い時間を通じて感じることもできました。
日本人エキストラの何人かの方からメールをいただいたのですが、みなさまも、ある種、極限状態で、両国民の、そして日本人気質をかいま見ることとなり、なかなか体験できない時間のなかで、色々と想うことがおありのようでした。

なかなか更新ができなかった言い訳として・・・。
この、東京〜ローマの行き来というのが、なかなかキツく、個人差はあるのでしょうが、不規則なスケジュールで日々を送っているわりには、身体が保守的というか、なんというか・・・。
時差ボケが治るのに時間がかかり、馴染んだな〜と思うと、またローマ、「お、今回は全然大丈夫じゃん!」と思うのもつかの間、また東京・・・。
で、新しいドラマの撮影に入ったかと思うと、またローマに・・・というスケジュールのなか、数日オフだったのですが、油断したのか、風邪をひいてしまい・・・。
それでも、「やっぱり、東京はすごいな〜」と、新宿紀伊国屋ホールでやってた川島雄三の映画を舞台化した広岡由里子さん座長の『しとやかな獣』を観に行ったり、昨日は八雲と渋谷のBunkamuraのザ・ミュージアムに『20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代』の展覧会に行ったりと、好奇心ばかりは旺盛なのでありますが・・・。
新宿では舞台の帰り、広岡さんたちと歌舞伎町の上海料理屋に行ったのですが、絶品!でした。
上海蟹、小龍包、なんか、お豆腐が麺状になったやつとか、あんまり食べたことのないものもたくさんあって、美味しかったです。
ローマにはないよな〜、東京は本当に色んな国のものが食べられて幸せだ!!!と思いました。
「上海小吃」ってお店だったかな? かなり混んでました。
展覧会では、八雲は、今年、もう高校3年生になるし、美術を学んでる真っただ中だからか、かなりじっくりと観ていました。
ピカソやクレーの他にも、シュルレアリストたちの作品が充実していて、エルンストやマグリット、マン・レイ、イヴ・タンギーなども並び、知らない作品も結構あったので、これは見逃せないかも!

今回のローマは、実はマキと八雲も連れて行っちゃいました。
オトーサン、家族サービスもしないとね!
八雲は学校があるのですが、丁度、学校も休みが重なったのと、担任の先生から「行ってもいい!」とお許しが出たようで・・・。
というのも、丁度、ローマ美術史をやってたところだったから・・・バチカン美術館を始め、色々と収穫があったようでしたが、一言。
「フレスコ画は、もういいや」
〜ま、過剰なまでの宗教絵画と建築物には食傷気味ではありましたけれど、まったく〜!!

3日間、ホテルのホールに缶詰状態の撮影が続いた強行軍だったのですが、その前に、休みの日があったので、家族三人でボマルツォの怪物庭園を観に行きました。
・・・実は、マキや八雲は、これがお目当て!
3人とも澁澤龍彦ファン故、『幻想の画廊から』や『滞欧日記』に紹介されている、ボマルツォの「聖なる森」は、まさに聖地!
16世紀に造られた、奇怪な石像が並ぶこの庭は、ヴィキノ・オルシニというこの地の当主がトルコ軍の捕虜たちを奴隷として連れて来て造らせたそう。
何故、このようなものが造られたのかは不明なのですが、実際に訪れてみると、「ビックリハウス」みたいなテーマパークっぽいな〜と思いました。
フランスの作家マンディアルグが唱えるような、異常性愛の交流の場・・・という妄想にまで及ばなかったのは、凡人の証拠か?!

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口のなかにテーブルがあって、くつろげる(?)ようになってる。

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★右の亀は、松江の月照寺にある大亀とそっくり!なんだけど・・・????

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★又割きの刑じゃあ〜!!!


まあ、それにしても、この、ボマルツォの町は、中世がそのままま残っている佇まいで、歩いているだけで、夢のようでした。
ローマやミラノ、フィレンツェばかりのイタリア旅行では、もったいない!!!と心底思わされました。
・・・しかし、交通は不便!
ローマから2時間ほどのヴィテルボという町まで列車で行って、そこからバスで30分ほどの山中にあるのですが、とにかく、バスの便が少ない!
帰りはヴィテルボからオルテで乗り換えてテルミニ駅まで・・・日帰りより、ヴィテルボ滞在しつつの日程をおすすめします。

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★高台から見渡せるボマルツォの街


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★怪物庭園入り口

あと、気になっているのは、列車から見えたBraccianoという、湖ベリにお城の建つ、お伽噺のような町。
なんでも、トム・クルーズが結婚式をあげたところらしいのですが・・・。

来週、またローマですが、今度はまったくオフの日はないので、またプライベートで訪れたいイタリアでありました。
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