イタリア人スタッフたちは、今回かなり一生懸命やっていてくださっていますが、労働規約もしっかりしているし、まあ、その、「労働よりアモーレ」の気質は、そうそう変わるものではないようで・・・徹夜で撮影・・・なんてことはあり得ません!
で、どうしても欠番にせざるを得なかったり、カット数を減らしたり・・・と、監督も試行錯誤していらっしゃるようですが、得てしてこういう時の方が結果オーライということが多い気がするのも事実です。
12月の前半の撮影では、70年ぶりの大雨で川沿いのロケ場所が流されてしまったり・・・と、かなり大変なことも多いようですが、佐野の出演部分はなんとか順調に進んでいます。
でも、撮影のない日に晴れたりするんだよな〜。
この時期、イタリアは雨が多いそうですが。
その後もオフの日は街を歩き回っていますが、石畳の街は長時間歩くと膝や腰にくるんですよね〜。
街全体が遺跡のようなので、どこを歩いていても面白いのですが、写真を撮ってて、いわゆる観光地〜っていうスナップになってしまうのが、写真好きとしては情けないところ。
★カラカラ帝が作った一大レジャー施設、カラカラ浴場の跡地。
・・・いや、奇妙、変、形や影が日本とは違う!・・・っていう新鮮さはあるのですけれど・・・。
植田正治がヨーロッパを撮った写真なんて、日本と変わらないものな〜。
いや、日本をいわゆる「日本的なもの」として撮っていなかった・・・ということでしょうね。
しかし、そうはいってもやはり、観光名所は外せなくて・・・「ローマの休日」に出て来るところなんかは、どうしても廻ってみたくなるのは、これはみなさん同じだと思いますよ〜。
・・・「真実の口」にも長蛇の列が・・・。
★ご存知、「真実の口」嘘つきは噛まれます。
「ローマの休日」でグレゴリー・ペックが手を入れて噛まれる演技は アドリブだったそうで・・・
リアクション、かわいかったな〜オードリー。
運が良かったのは、この時期、サーカスをやっていたこと!!!!
MEDRANO っていう、ワールドプレミアムの道化の部門でグランプリを取った伝統的なサーカス、良かったです。
もう、フェリーニの世界!
白馬、象、ライオン、キリン、らくだ等、動物たちの調教がすごくて、なかでもライオンなどは、ホント、絶句するくらい美しかったです!
★最後は雄ライオンと調教師が添い寝してました・・・美しい!
★バルタバスもたじたじ!
道化の方々も、もう、芸人とはかくあるべし!・・・というようなクールさと残酷さをかいま見せて・・・佐野的にはちょっと怖かったです。
・・・江戸川乱歩の世界でもあり・・・「サーカスにさらわれちゃうよ」という、昭和の人間にとっては、子供の頃に大人に言われたおそろしい言葉もよみがえってきてしまいました・・・。
鉄球のオートバイ曲芸、空中ブランコといった昔ながらの曲芸に、ちょっとセンチメンタルな気分にもなり・・・。
林海象監督の『二十世紀少年読本』、サーカス団の物語でしたが、真希が空中ブランコや一輪車の練習してたこと思い出してしまいました。
監督や、あの時のスタッフ&キャストみんなで観たいな〜とも・・・。
★子供の頃、ボリショイサーカスで同じ曲芸観ましたが、
木下大サーカスも良かったですよ! いつまでも続いて欲しい芸です。
★この色合い!デヴィッド・リンチの世界でもあり・・・。
公演は1月25日まで!Piazzale Clodioの広場にて!ローマに観光に行かれる方は是非!!!
15~35ユーロ。月〜土:5時と9時、日:4時と6時半の2回公演。
tel:0637511517(ローマのです、
国番号から・・・念のため。イタリア語ですし・・・)
さて、俳優の仕事も、こうした「異空間」「異次元」にみなさまをさらっていくことが使命なわけですから、身にしみることでもありました。
こうした経験が撮影に活かされるといいのですが・・・。
「なぜイタリアなのか?」というのは、今回の撮影でずっと考え続けていることですし。
地中海をめぐるギリシャの神々、ローマ帝国、キリスト教・・・アメリカに渡っての福音派・・・黒船、イギリスvsフランスの統治の対立・・・日本の神々・・・。
イタリアの名匠、アントニオーニの『太陽はひとりぼっち』のセリフに好きなのがあるのですが・・・アラン・ドロンが一言・・・「直感の城だな!」
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