雑記帳 二〇二四年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二三年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二二年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二一年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二〇年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十九年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十八年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十七年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十六年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十五年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十四年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十三年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十二年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十一年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇一〇年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇九年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇八年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇七年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇六年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
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橘井堂二〇十五年如月十三日

ドラマのスケジュールが雪予報やなにやかやで前倒しになり、8話、9話のセットでの撮影がまとまったこともあり、3日ほどオフができた。
次の台本もまだ届かず、まあ、書かねばならない原稿もあるにはあるのだが、ここは!!と思い切って大阪に出かけた。
東京都立写真美術館で昨年行われていた「フィオナ・タン まなざしの詩学」を見逃してしまっていたので、大阪、国立国際美術館で開催中の同展には、どこかで必ず行きたいと思っていたのだ。
都立写真美術館は2016年秋まで改修工事に入っており、休館する前の展示が同展だった。
いや、最終日に出かけたことは出かけた。
だが、お目当は報道写真家、岡村昭彦の展示だった。
1985年に亡くなった岡村昭彦はLIFE誌に取り上げられたベトナム戦争の写真など、歴史の一ページを切り取った作品を数多く残している。
小泉八雲の足跡を追って松江での城山稲荷神社のキツネ像や、島根原発の写真で締めくくられている展示はとても印象深いものだった。
図録も入手し、同時に展示されていた「フィオナ・タン まなざしの詩学」の図録も手にした。
だが、フィオナ・タン展は都写美最終日に廻ることは時間的にも難しかった。
フィオナ・タンに関する知識もなく、その時は見逃したことをさして気にもしていなかった。
が、図録を読んで一気に惹かれた。
何が・・・とは一言で説明しにくいが、中国とオーストラリアの混血でインドネシアで育ち、1960年代後半の排華政策を受け、親族が離散した経緯を持つ女性は「私とは何か?」という、問いを抱き、あらゆる事物、現象を同様に捉え、みつめている。
実にシンプル。
自ら何個もの風船に釣り上げられたフィルム「リフト」など、展覧会はほとんどがムービーで占められていたので、じっくり向き合うには半日を要する。
大阪では2日通った。
東京で観ていたとしても、おそらく今回のようにじっくりとは観ることができないでいたように思う。
出会いや判断の嗅覚を大切にしたい。
出会いに感謝!!
次のスケジュールを気にせず、誰を待たせるでもなく、心ゆくまで美術館に身を置くことで、大きな糧を手にしたように感じている。
画質の良し悪しを超えたそのまなざしの純潔と、逃れられない世界に対する違和感の体感に共振したのかもしれない。
いや、美しい画が連なっていた。
それが、自身で撮影されたものであれ、採取したものであれ。
3月22日まで開催されているので、ご興味のある方は是非お出かけください。

一人でプラリと・・・とはいいながら、夜は馴染みの心斎橋の「ひで」さんで食事を・・・と思ったら、大阪に着いたその日は定休日。
電話をしたところ、ご主人、これからみんなで中華を食べに行くのでご一緒に・・・とのお誘い。
大阪の料理人仲間のみなさまに混じって、なかなか予約の取れない一椀水 (イーワンスイ)さんで美味しい料理とお酒を堪能した。
大阪勤務のNHKの田中泉アナもいらしたので、ちょっとホッとした。
いや、初対面だったけれど、大阪の腕利きの料理人さんたちに混じっての食事は、少々緊張・・・だったので。
ところで、一椀水のご主人は、吉祥寺の名店、竹爐山房で修行なさった方だったのも吉祥寺の住人としてはなぜか妙に嬉しく。
そして、翌日は「ひで」さんへ。
そしたら、キッチュ〜松尾貴史さんと遭遇。
思わぬ出会いに盛り上がり、ひでさんたちと普段はなかなか行かないような大人な、新地のお店にも連れていっていただきました。^^;
帰京する日には新世界へ。
久しぶりに訪れましたが、通天閣のあたりやジャンジャン横丁は観光客であふれかえってました。
ディープな空気が薄れたのはちょっと寂しかったけど、それでも路地を一本入れば・・・。
串カツにビール、地元のおじさんたちに紛れて、このオヤジも地元気分。
あれこれ飲んで食べて1400円!!さすがでした。
新世界に行くと必ず寄る大衆演劇の小屋「浪速クラブ」へ。
この日は劇団澤宗の公演。
澤宗千惹さん、澤宗城栄さん・・・座長たちの芸と話術に感服。
特別ゲストの大川龍昇さんの踊りと語りにもグッときました。
厳しい芸の世界・・・能楽の舞台であれ歌舞伎であれ、大衆演劇、映画やテレビドラマ、全身全霊でやってる人はスゴイ!!
・・・そうして、自分自身にも問いかけ続けなければ・・・。
振り返れば、25歳、紅テント、状況劇場の旅公演、唐十郎、李礼仙、不破万作、十貫寺梅軒、小林薫・・・といった大先輩たちの隅っこにいながら初めて訪れた新世界での公演を想い出す。
初心忘るべからず・・・の意味は深いが、還暦を前にした今はスタート地点を想い返してみよう。
芸術、料理、芸能・・・高級だとか通俗だとかで判断せず、己の身体全部で感じていたいと思った大阪での休日でした。

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★新世界、通天閣。


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★ポルノ映画のポスターに食い入るオヤジ。


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★うなだれて映画館を後にする。


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★朝日劇場の出し物も気になる。


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★国際地下劇場・・・これぞアンダーグラウンド!!


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★澤宗城栄さんの口上、お見事!!


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★大川龍昇さん、花道を行く!!


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