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二〇〇九年霜月十九
日
寒いな〜11月も半ば過ぎて、当たり前といえば当たり前なんだけど…。
昨日、今日と、11月23日に渋谷のオーチャードホールで行われる
『大滝詠一“A LONG VACATION”トリビュートコンサート』
のリハーサル。
佐野は総合司会を仰せつかり、ならば…と、構成やら選曲にも参加させていただき、責任の重さをひしひしと感じています。
音楽監督はナイアガラサウンドを永年支え続けていらっしゃる井上鑑(あきら)さん。
スタジオにはベースには高水”大仏”建司さんがいらっしゃったり…NIAGARA、TIN PAN ALLEY 創成期からの音楽ファンにはこたえられない空間が…。
アルバム『A LONG VACATION from Ladys』…本家、ナイアガラサウンドを期待すると、まったく別の解釈にとまどってしまう方もいらっしゃると思いますが、LIVEでは、そんなことも忘れて、楽曲の良さとみなさんの歌に酔いしれることとと思いますよ。
あの曲、この曲もやるの!?・・・え?なんで、あの曲やらないの・・・?
まったく、この、ナイアガラー、大瀧ファンてえものは・・・望みにキリがなく・・・え?お前のことだろう…って?
いやいや、あっしなんざ、コアなファンの方々の前には、足元にも及びません!!
今回は、「ロンバケ」しか知らない…ってな、バブルの頃にブイブイ言わせてた女子大生やOLさんだった世代に、踏み込んで聴いてもらいたい気持ちも、個人的にはあるのですよ…。
このアルバムが、そんなキッカケになればいいな・・と。
それにしても、スタジオは、入れ替わり立ち替わり…「あ、大貫妙子さん、お久しぶりです、尾崎亜美さん・・・へえ〜ユーミンとはそんな出会いだったんですか・・・加藤和彦さん・・・そうですね、じゃあ、あらためて・・・太田裕美さん、こんな感じでいいでしょうかね?」・・・などと・・・。
ミュージシャン同士で昔話に花が咲いたり、ちょっとした同窓会みたいにもなってました。
じゃ、次は・・・大瀧さんが昔いたバンドの曲も・・・?
当日が楽しみです。
さて、一方、マキは
新・転位21
の公演『東京物語』のため、稽古の日々。
昨年の、飴屋法水、マキ、佐野、加えて大先輩、十貫寺梅軒と、状況劇場時代のメンバーが顔を揃えた『シャケと軍手』から1年。
早いな〜。
20日の初日を前に、中野光座に劇場入りして追い込み!
山崎哲さんのキビシイ芝居の空間に身を置くと、もの作りの原点を思い知らされる想いです。
舞台に立とうが、観客でいようが、自分と向きあい、空間と、他者やモノと向きあうことの大切さと奇蹟を毎回教わります。
飴屋法水氏も、公演の真っ最中。
『4.48 サイコシス』
(作:サラ・ケイン 演出:飴屋法水/池袋、あうるすぽっと)。
東京グランギニョールの時から飴屋氏の演出は観て来ているけれど、今回も凄かった…。
肉体と、オブジェと、音と、目に見えない気の流れとを、寸分違わず構成し、緊張させ、開放という名のブラックホールへと吸い込ませていくような感覚。
僕とは、方法は全然違うかもしれないけど、モノの見方には、同様のものを感じ、彼と向かいあう感覚に恐れおののきながらも喜びを覚えます。
数少ない、古くからの友人のなかで、一番オソロシイ才能の持ち主だけに、客席にいても怖くてしようがありませんでした。
でも、これは、この、「場」に出かけなければ、決して味わえない、体験できないもの。
劇場中継やDVDで観る、LIVEや舞台と変わらぬパフォーマンスなら、家で観てりゃ良いと思うけど、そうじゃないものが、まだ少なからずあることを信じて、足を運びたいものです。
そして、そういうものと出会った時の喜びは、何ものにも代え難い!!!
さて、そろそろスタジオに出かけます。
二〇〇九年霜月十三
日
来年、新春から放送されるNHKの土曜時代劇
「咲くや この花」
の収録も終盤にさしかかり、また、ひとつドラマが終わるときの寂しさを、
ちょっとばかり感じてしまいます。
余貴美子さんとの共演は、何度もありますが、こんなチャキチャキの下町の長屋モノは、はじめてでした。
とても新鮮でした。
お互い同年代だし、アングラ育ちだし、息もあっていた・・・かな?
余さんの娘役の鳴海璃子ちゃんとは、楽屋でロックの話しばかりしています。
アイドルのイメージもあるだろうから、あんまり言わない方がいいのかな〜あ?
坂井真紀ちゃん以来の、コアなロックファンの出現に、オジさんは超ビックリ!!なのです。
「くるり」ファンだということから話しが弾んでいましたが、ここまでとは・・・。
こないだも、「くるり」のライブにみんなでくり出しました。
八雲や璃子ちゃんら、十代のロック少女たち見てると、頼もしくもあり、また、一方で、ついこの間まで高校生だったような気がしている我々もいて・・・時の経つのは早いものだな〜と、しみじみ思います。
というのも、11月7日に、松江で高校時代から通っている喫茶店「MG」の40周年記念コンサートがあって、佐野も参加させてもらったのですが、とにかく、大御所のミュージシャンたちがずらりと並ぶなか、高校の同級生たちがスタッフとしてもり立ててくれてたり、音楽好きはなにも変わっていないので・・・40年近くも経っているとは、実感がないのですよ・・・。
しかし、本当に良いコンサートでした・・・。
音楽を愛する仲間や先輩たちにの存在は大きいな〜と、あらためて思いました。
僕らが高校生のときのロック少女たちは、頭脳警察を呼んだりして、男子はタジタジでしたが・・・。
盟友、山本恭司とも、こうして、ずっと音楽や、表現のことを続けていられることの幸せをあらためて噛みしめていました。
一日だけの、大塚まさじさんと、ながいようさんのディラン・セカンドの再結成も、嬉しかったし、エンケンは、いつもにも増して炸裂してたし、「夢よ叫べ」では、泣かせてくれるし・・・。
中川イサトさん、岸部眞明さんのアコースティックギターの響きの美しさ・・・浜田真理子さんのピアノの弾き語りは、キャロル・キングや初期のユーミンや・・・変わらないスタイルの強さと美しさをみせてもらえたし・・・。
湯川トーベンさんは、さすが、ベーシストだけあって、ビートの出し方がすごい!!アコギ一本でも、バンドサウンドに聴こえてくる!おまけに、コーラスまで聴こえてくるんだよね〜。
深いな・・・音って・・・。
しかし、この日は、特に友部正人さんが凄かったです。
あの、独特の声に、完全に打ちのめされてしまいました!!
エンケン対友部正人の、がっぷり四つに組んだ大相撲のようでもあり、こんなすごいもの、間近で感じられ、本当に良かったです。
・・・なんて、お客さんでいられるわけじゃなく、このなかで、佐野もぶつかっていかなければならないのですから、オソロシカッたです!!
お祭り、お祝いのLIVEなんだけど、この、真剣勝負の空気が、とても良かったです。
「むかしは良かった〜、なつかしいな〜、フォーク、青春してたよな〜」なんて感じじゃまったくなく、今も変わらずに、ずっとずっと、続いているのだと、嬉しく、怖くなってしまいました・・・。
やらねば!!
佐野のsanchでは、先日亡くなられた加藤和彦さんの追悼もこめて、「オーブル街」を演奏しました。
へたくそな僕の歌だけど、作りたい音楽があるので、コツコツやるしかないのですよ・・・。
★演奏するsanch(撮影:遠藤賢司) 。
そしてそして、キョージのWILD FLAG がトリをつとめ、ジミヘンの「パープルへイズ」やったり、ロック魂炸裂し、大盛り上がりで無事終了!!
30周年、35周年と参加してくださっていた、高田渡さんも今は亡く・・・。
最後は、渡さんの「自転車にのって」を、全員で大合唱!!
「MGのあっちゃん、自転車で登場し、素敵でした・・・。
あっちゃん、最後は泣いちゃったけど・・・本当に良かった・・・。
今回は、舞台監督に、大阪の音楽フェスの老舗『春一番』の福岡風太さんが参加してくださったこともあって、ライブ全体も引き締まっていたように感じました。風太さんにも感謝!でした。
★ライブ翌日、宍道湖畔でボーッと夕暮れを観てました 。
いつまでも、MG・・・続きますように・・・。
大阪の「ディラン」吉祥寺の「ぐわらん堂」「のろ」もなくなってしまった今、多分、日本で一番古い音楽喫茶でしょうし・・・。
また、松江に帰ったら、寄りますね!
カツ丼と、コーヒーね!
★女神の様なあっちゃん(撮影:遠藤賢司) 。