二〇十八年如月二日
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1月31日、渋谷のクラブクアトロで遠藤賢司さんの生誕71年を祝う、そして昨年10月25日に他界された追悼の想いを込めたコンサート「生誕71年 エンケン祭り」が開催されました。
例年はエンケンさんの誕生日1月13日に開かれていたバースデイLIVEだったけど、今年はこんな形としてエンケンさんのことが大好きな人たちがたくさん集まりました。
ロビーには祭壇が設けられ、超満員のライブハウスに入ることのできなかったファンの方々のためにもエンケンさんへの想いが届くようにとエンケンさん愛用の品々や衣装、これまでのコンサートのポスターなどが展示されておりました。
もちろん、フクロウの絵柄のマーシャル・アンプ三段積みも!!
ステージにもエンケンさん愛用のギターがズラリ🎶
僕は今回、エンケンさんのデビュー曲「ほんとだよ」をやったのですが、敬意を表してそのデビュー当時に使っていたギター、ヤマハのFG180(通称赤ラベル)を使いました。
今はどんなアーチストもほとんどアコーステイックギターはエレアコでラインで音を出しますが、エアーマイクで拾ってもらって。
エンケンさんは決してエレアコを使わなかったこともあり、勝負!!!の気持ちで挑みました。
それが、一番喜んでくれるだろうと思ったから。
事前にヤマハを使う旨を、奥さんでマネージャーの関端ひかるさんに伝えたところ「エンケンのギター、貸そうか? 佐野くんだったらエンケンも良いっていうと思うよ」と言ってくださいましたが、さすがに畏れ多くそれはご辞退いたしました。でも、持参のFG180も良い音出してくれました。
出演者と曲順は下記の通り。
原マスミvo,eg 星空のワルツ
湯川トーベンvo,ag 坂道
佐野史郎vo,ag&山本恭司eg ほんとだよ
曽我部恵一vo,ag カレーライス
大友良英eg エンケンさんに捧げる即興演奏(エンケンさんの「夜汽車のブルース」の横で弾いてるつもりで)
大槻ケンヂvo,ag 日本印度化計画
山本恭司vo,ag 夢よ叫べ
湯川潮音vo,ag 藤原まひとアコーディオン 得澤青弦チェロ 裸の王様
頭脳警察(PANTA vo,ag トシconga) 銃を取れ、さようなら世界夫人よ
あがた森魚vo,ep 冬のサナトリウム
鈴木慶一vo,ep 塀の上で〜雨上がりのビル街
鈴木茂vo,g、湯川トーベンb、森信行dr 花いちもんめ
細野晴臣vo,ag 寝図美よこれが太平洋だ
遠藤ミチロウvo,ag 夜汽車のブルース
シーナ&ロケッツ(鮎川誠vo,eg 奈良敏博b 川島和秀dr)ホラ吹きイナズマ *飛び入り
フラワーカンパニーズ(鈴木圭介vo グレートマエカワb 竹安堅一g)東京ワッショイ
【アンコール】
エンケンバンド(石塚俊明dr 湯川トーベンvo,b/ 鈴木茂eg 竹安堅一eg 山本恭司eg/遠藤ミチロウvo PANTAVO/出演者全員cho)
長時間、超満員の客席の中、とてつもない集中力でお客様たちは聴いてくださってました。
終演後、誰かが「あのお客さんたちもエンケンさんが育ててくれてたんだよね」と言ってました。
演奏する方も、聴く方も、真剣勝負なんだと。
本当に素晴らしいお客さんたちで、こちらも圧倒されそうになりました。
演奏途中、客席を観たら、あれだけの大人数なのに、全員食い入るように微動だにしていないので、こちらもさらに気合が入りましたです。
このメンバーの中にいて、そして、姿は見えないけれど、確かに、演奏する方も、お客さんの中にもエンケンさんはいて、だからこそ「勝負!!」だったのだと思います。
エンケンさんを前にして、下手なことをしたらもう二度とつきあってもらえない・・・くらいの怖さがいつもありましたから。
いや、本当に厳しい人でした。
それにはそれだけのことがあって、「ちゃんとやれ!!エンケン!!!」と自らにもその戦いを強いていたのですから。
高校時代に演奏した「ほんとだよ」の音源をとても褒めてくれて、NHKのラジオでもその音源をかけてくださったことがあったほどでした。
その音源には山本恭司は参加していなかったのですが、高校のクラスメイトのキョージと演奏したことがあったかを何度も訊かれたことがあったので、今回は二人での「ほんとだよ」を聴いてもらおうと思ったのでした。
聴いてくれたかな?きっと気にってくれたことと信じています。
終わったら、指から血が出てた。^^”
出番が終わって、ずっと客席の端っこで聴いていたんだけど、ほんと、皆さんの演奏が素晴らしく、涙が滲んで仕方がありませんでした。
湯川潮音さんはもうすぐ赤ちゃんが生まれるそうで、大きなお腹で、それはそれは美しい演奏と歌でした。
お腹の子さんは男の子で「けんじ」と名付けようと思ったけど、潮音ちゃんのオトーサン、トーベンから「けんじ!!」と呼び捨てにされるのはマズいと思ったそうで、やめにしたそうです。
なくなる命、生まれる命・・・伝わる魂。不滅の魂。
あがたさんの「冬のサナトリウム」、鈴木慶一さんの「塀の上で」、頭脳警察の「銃を取れ」「さようなら世界夫人よ」と続いた時には、思わず「70年代かよ!!」って突っ込みたくなるほど、時がいつだかわかんなくなってしまい、鈴木茂さん、細野晴臣さんと、はっぴいえんどのメンバーもいるし、ファンとしてもたまらんことになっておりました🎶
茂さんと初めて一緒に演奏したという元くるりの森くんは茂さんからジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのミッチ・ミッチェルみたいにやってくれと云われたそうですが、森くん、初めてエンケンさんと一緒にやる時「これ聴いて勉強して」とジミヘンのレコード渡されたそうです。
通じてるな〜この日はクリームのジンジャー・ベイカーみたいだったようですが。
そういや、ロックのはじめの頃のドラムって、キース・ムーンにしても叩きまくってましたよね〜。
細野さんもギターの弾き語り、譜割りもエンケンさんのとは微妙に違うし、ギターのコードも細野さんらしいベースラインが加わっていて、カバーというより、完全に自分の曲にしてしまっているのが流石!!というのも生意気ですが、畏れ入りました。
さらには、当日、急遽決まった飛び入りのシーナ&ロケッツの登場にもビックリ!!で、これには、お客さんも大喜びでした^^
このメンバーの中では、僕なんざ若手で、そういや、原マスミ、大槻ケンヂ、みうらじゅんと僕とでエンケンさんと「宇宙防衛軍」をやった時、みんなで宇宙銃持って戦ったなあ〜なんてことも思い出したり。
最後は観客席にいたエンケンさんゆかりの客人たちもステージへ。
巻上公一さん、宮藤官九郎さん、GRACE、かわいしのぶ・・・大勢いらしてましたよ。
当日の様子、エンケンさんのブログサイトに写真もいっぱい載ってるので、是非、ごらんください!!
2018.01.31 生誕71年 エンケン祭り・その1
2018.01.31 生誕71年 エンケン祭り・その2
2018.01.31 生誕71年 エンケン祭り・その3
★なんたる楽屋!!
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★開演前、祭壇にまだお花は添えられていないけど、いっぱいでしたよ!!
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★楽屋にて、左から鈴木茂さん、PANTAさん、鈴木慶一さん、細野晴臣さん。
46年前、慶応三田祭の学園祭で頭脳警察の出番が押して、はっぴいえんどの出番が少なくなりモメて以来の再会となった頭脳警察のPANTAさんと、はっぴいえんどの細野さん。和解!!^^" 茂さんとは会ってたと思います。鈴木慶一さんもその時、はちみつぱいとして参加。
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★楽屋にエンケンさんの遺影も。
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