二〇一〇年睦月二十八日
『左目探偵 EYE』の撮影が続いている。 昨年の『アイシテル』の時もそうだったが、プロデューサーや監督と、よく話しあって現場が進行している。 若い共演者たちとも、よく話す。 ドラマ上、どうしても矛盾点がなっとくいかない時にもあきらめずに方法をさぐり続ける・・・。 そうしている時間がある時には、観て下さっている視聴者の方々にも、「なにかが」伝わっている手応えを感じる時がある。 毎回、ゲストの方がいらっしゃるが、3話は、年末にダイナマイト でサワー選手を倒し、世界チャンピオンになった魔裟斗さん! まったく運動やスポーツには縁のない佐野ですが、甲野善紀さんの武術の術理などには18年前から共感することも多く、武術者たちの身体の動きには俳優として 学ぶことが多いのです。 また、前田英樹さん、内田樹さんといった好きな学者さんたちが武術を続けていらっしゃるのも共通していることで、身体感覚をちゃんと持っていない限り、 どんな哲学も机上の空論となってしまうのでしょう。 初対面で魔裟斗さんと握手。 小柄な魔裟斗さんでしたが、手の厚みが凄かった!! でも、魔裟斗さんからも「手が厚いんですね」と言われ、佐野に対する印象が違っていたようだった。 ・・・そうなんです、佐野、繊細な役も少なくないけど、実際はかなりの丸太! そうは言ってもテント劇場育ち、力仕事を終えて舞台に立つ日々でしたから・・・。 で、休憩中、魔裟斗さんと話していたら、いつしか「タメ」の話しに・・・。 間合いをタメてパンチを出すと、気配で分かられてしまう。 タメを作らないのが大事。 演技も台詞も同様。 台詞を言おうとしている間合いで、観ている人には「何かを言おうとしている」ことがバレてしまい、演技を読み取られてしまう。 演技に於ける動きもタメがあっては、何が次に起こるのかが、観ている人にわかってしまうので、面白くない。 タメを作らずに動く、喋る。 あるいは、わざとタメて、相手を揺動する。 同じ人間。 人前に晒されるのは同じ。 日々、格闘・・・である。
★手の厚みが、二人の共通項
二〇一〇年睦月二十三日
『左目探偵 EYE』、『ハンチョウ〜神南署安積班〜』 シリーズ2の撮影が 続いています。 チェコ、プラハから帰ったその足で、ロケ現場に直行〜!! スイッチ切り替え、日常に戻りました。 あっという間の1週間でしたが、とても充実した時を過ごすことができました。 『屋根裏のポムネンカ』のイジィ・バルタ監督には、お宅にご招待いただき、 奥様の手料理をいただきましたし。 レストランでのプラハの食事事情は、正直、なかなか「オイシイ!」とは言いがたいのですが、 奥様の家庭料理はとてもとても美味しかったです!! ロシア、ルーマニア、アイルランド・・・訪れた国々の、古くからの伝統的なお料理は、その美味しさを、よ〜く覚えていますし、残っています。 シュヴァンクマイエル監督ともお食事したのですが、パンを器にしたビーフシチューはとても美味しかったです!!
★バルタ監督の奥様の手料理、ビーフと、やわらかいパン、KNEDLIKY(クネドリキー)にジャムを乗せていただく。(左)、美味しかったパンの器のビーフシチュー。
★人形アニメの撮影風景、ひとコマひとコマ、積み重ねて・・・気が遠くなりそう〜!
★左、パレチェクさんのアトリエ。右は『世界ウルルン滞在記』で阿部サダヲさんが作った人形アニメの人形! どぶり〜でん!!
★バルタ監督の棚、作品、そのもの!!17世紀の人形劇の人形の頭も下の方に並んでます。コケシも・・・。
二〇一〇年睦月十一日
今、チェコのプラハに来ています。 撮影ではないのですが、あれやこれやで。 初めてのチェコです。 ヨーロッパ中、寒波に襲われていて、プラハも、雪。 雪のプラハは珍しいそうです。 昨日は、「屋根裏のポムネンカ」でお世話になった、イジィ・バルタ監督や、絵本、アニメーションの「ちびトラちゃん」などで知られるパレチェクさんとお会いすることができ、感激! 以前、舞台「月ノ光」で、プラハを舞台に、カフカの「城」の主人公、Kと名乗る男を演じたこともあり、プラハに対する想いはひとしおです。
★橋の向こうは、プラハ城なのですが、雪に消されてしまって見えません。