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二〇〇八年極月二十五日
メリークリスマス!・・・と多神論者の佐野は、想えば浮かび上がるイメージこそが神だとは思うのですが、亡くなられてしまった方々の身体ばかりは無い・・・ということだけは理解でき・・・。
植田正治のお孫さん、仲田薫子さんが44歳で他界されてしまったことが、今年はショックでした。
数年前、彼女に植田さんの写真展のトークイベント出演のお声をかけていただいたことが縁で、写真の世界に目覚めてしまったことは間違いありませんから・・・。
深浦加奈子さん始め、お仕事でも縁ある方が亡くなられてしまいました。
昨日報道された飯島愛さんの訃報も、ショックでした。
バラエティ番組等でご一緒するくらいでしたが、「観察者の眼」の持ち主であることは、すぐにわかりました。
飯島さんの原作『プラトニック セックス』がドラマ化された時、僕は主人公やその仲間達のパトロン・・・といっても、何をするわけでもなく、ただ、食事や遊びに糸目をつけず提供する・・・といった存在なのですが、その、石川さん役を演じさせていただいたことから彼女の埋まらない心の隙間を想ったりはしていました。
ドラマの台詞で、彼女に「馬鹿は死んでも治らない」と石川が言うのですが、飯島さんは、とある番組で「佐野さんに『馬鹿は死んでも治らない』と言われた」とおっしゃっていたそうです。
・・・確かに・・・石川役の佐野が、飯島さんに(星野真里さん演じるところの)言ったのですが・・・役であれ、実人生の人間であれ、その身体が、言葉を発したことには間違いはありませんから、飯島さんのおっしゃったことは正しいです。
その、ものの観方、観察者の眼差しと無縁ではないと思います。
その感覚、よく分かります。
今朝、ワイドショーで、飯島さんとずっとお仕事をご一緒なさっていた中山秀征さんが「大馬鹿野郎ですよ!」と悔しがっていらっしゃったことで、そんなこと、ふと思いだしてしまいました。
賢いこと、如才ないこと、競争に勝ち抜いていくことを求められる学校や社会、家庭のなかで、愚直に、不器用に他者を観続けていく行為は、とんでもなくエネルギーがいることは間違いなく・・・。
ご冥福をお祈りいたします。
ところで、一昨日は、サックス奏者の梅津和時さん主催の
『キャバレー!大忘年会』
に出演。
昨年に引き続いてお声をかけていただきました。
新宿の老舗ジャズクラブ
「ピットイン」
にて。
おおたか静流
さんらが入れ替わり立ち替わりヴォーカルを担当。
昭和の歌謡曲や、スタンダードジャズで往年のキャバレーの雰囲気を再現!
3デイズぶっとおしのこの企画、初日はジム・オルークも登場したそうです!!
おおたかさんのニューアルバム
『セレナーデ』
は現地のミュージシャンと共に全編トルコでのレコーディングなのですが、名作です!
アルバム
『月あかり・挽歌 旅立ったひとへ』
をリリースしたばかりの安保由夫さんも昨年に引き続いて新曲を披露。
身体があることが、どんなに奇跡的なことか・・・亡くなった方々のことを想うと、余計に、その声々が大切に想えてきます。
佐野はゴジラのテーマが流れた後に登場!
「モスラの歌」を歌いました。
ゴジラの奇声をあげたりして、小学生の時とやってることが同じでした。
純な音楽が救ってくれる・・・と信じたいです。
二〇〇八年極月二十三日
今年もあとわずか・・・。
毎年毎年、同じことのくり返しだが、同じ時間は、二度と戻って来ないことを確認させられる時期でもあります。
お世話になった方々が今年は次々と亡くなられてしまった・・・。
歳を経ていけばいくほど、そうなることはわかってはいるのだけれど・・・。
色んなことがあった一年でした。
新しい経験もさせてもらったし・・・。
夏にフジフイルムフォトサロンで写真展を開催させていただけたことは大きかったな・・・。
写真は、改めて、自分の中でとても大切なものとなっています。
昨日は、そんな、写真を介して出会った仲間たちとの忘年会でした。
フジフイルムのみなさんや、雑誌Re:s(りす)のみなさん、小説家の柴崎友香さん・・・。
来年も色々と面白いこと、やってみたいと思っています。
本業の俳優業もね・・・舞台の余韻はまだ残っているけれど、出演映画の公開本数もこれまでで一番多かったし・・・。
10本だったんだよね〜。
ま、たまたま今年にかたまってしまったのですけれど。
映画は活動写真ですからね、舞台だって1カットの映画だと思いますし、やはり写真。
粒子と細胞の違いは大きいかもしれないけれど・・・。
だらだらと想い返しておりますが、年末からは新年をはさんで映画の撮影が始まります。
また、挑戦です!
二〇〇八年極月十五日
芝居も終わり、12月は、ちょっとゆったりした撮影のスケジュール。
この間に、滞っていた執筆の仕事を片付けたり・・・。
妙な怪獣ものやったり・・・って、詳しくは言えないのですが・・・。
お正月開け、1月24日公開の映画
『誰も守ってくれない』
のプロモーションで、主演の志田未来ちゃん、佐藤浩市さん、監督の君塚良一さんたちはかけずり回っていらっしゃるようですが、佐野も、ちょっとだけ・・・。
TBSさんのバラエティ番組、オセロの中島知子さんがナビゲートする『恋するハニカミ』で、志田未来ちゃんと都内のお気に入りのお店をご紹介。
今年は、『誰も守ってくれない』で未来ちゃんと出会って、その演技力に度肝を抜かれ、ドラマ『正義の味方』では仲良しの親子を演じ・・・なんか、縁がありました。
佐野は青山にあるトイカメラのお店
"LOMOGRAPHY"
を紹介。
二眼レフカメラでお散歩カメラ。
未来ちゃんは魚眼レンズのカメラに「カワイイ〜!!」を連発。
そうは言っても、今どきの娘でした。
放送は来年の1月23日の深夜だったかな?
お楽しみに!
二〇〇八年極月七日
12月5日の下北沢440でのライヴは楽しかった。
M.C.kingのグンさんたちや、野条しほさんらとの一夜、芝居の反動なのか、佐野は超リラックスして演奏できました。
「ジュリー祭り」から一日おいただけなので、6時間40分、インストもいれたら82曲を叩き通したドラムのGRACE、「本当に来れるかな〜?」と心配しておりましたが、無事、到着!
「こ、腰がいたい〜!」と、なんだか申し訳ないようで・・・。
でも、やっぱり、やってよかった〜。
ベース、アコースティックギター、ドラムスの3ピースの編成、実はあんまりやってなかったかも・・・。
アコースティックセットの時は、ドラムスじゃなくて、
カホーン
でやることがほとんどだったので、新鮮でした。
ニール・ヤングのアルバムなら「ハーヴェスト」な感じ?・・・かな?
いや、ま、あくまでも、例えですが・・・。
芝居で、ず〜っと神経張りめぐらせていたせいか、楽器の音がとにかく、新鮮で心地よくて・・・。
海外旅行から帰って来て、お茶漬け食べた時みたいな・・・?って、例えがわかりにくいか・・・。
打ち合わせしなくとも、その場の音にすぐ反応してくれる潤やGRACEは、やっぱり、「流石、プロ!」とあらためて思いました。
エマーソン北村含めて、4人のsanchでも、また早く音出したいな〜。
セットリストです。
1、君を想う朝/inst
2、君が好きだよ
3、明日あたりはきっと春(7日放送の「フォークデイズ」で鈴木茂さんといっしょにやったばかりなんで、もったいないからね・・・「はっぴいえんど」の3rdから)
4、モスラ(映画『20世紀少年』でヤン坊マー坊を演じていて、「これは、モスラでザ・ピーナッツが演じた小美人の役だ」とわかり、リスペクトして)
5、いつもいっしょ
6、嘘でも言いから好きと言って
7、あわてずさわがず待っていな
8、メロディハウス
二〇〇八年極月四日
いや〜スゴカッタ!!!!!!
12月3日に東京ドームでおこなわれた「人間60年 ジュリー祭り」!
3万2000人ものお客さんが集まったとのこと。
新旧問わずの選曲は現役シンガー
沢田研二
さんの懐の深さと、圧倒的な貫禄と凄さでもってくりひろげられ、なんと、全80曲!!
休憩を30分ほどはんさんで6時間40分、ぶっとおしのLIVEは、今までに体験したLIVEのなかでも突出したものでした。
圧巻!!
バンドには、沢田さんの最近作では積極的に作詞も提供している、佐野のバンド"SANCH"のドラマーでもある、GRACEが参加していることもあって、想いもひとしおでした。
ヴォーカルは、もちろん、そのエネルギーと上手さと、説得力をもって、聴くものの身体を揺さぶるのですが、ドラムは、とにかく、6時間あまりも、ずっと叩いているわけだから、倒れたらどうしよう・・・と、親戚のオッチャンみたいな心境でもあったのです。
GRACE、パワフルだけど、そうはいっても女の子(?)だからね・・・。
それにしても、やはり、タイガース時代の楽曲は、胸がキュンとなってしまう。
中学時代、解散するまで、ずっと好きだったもの・・・。
GS・・・グループサウンズと呼ばれるものは、ジャックスであれ、シャープホークスであれ、デ・スーナーズであれ、何でも聴いてたからな〜。
そのなかで、ザ・スパイダースが別格で、タイガース、テンプターズ、カーナビーツ、モップス、ゴールデン・カップスなどが好きだった。
ブルーコメッツやワイルドワンズ、ヴィレッジシンガーズなどは、そのファッションセンスや優等生っぽいとこが気になって、のめりこんだりはしなかったけど・・・。
フラワーズ、ジャックス、ハプニングスフォー、ダイナマイツなどは、GSの認識じゃなかったかも・・・?
脱線しちゃいました・・・。
「銀河のロマンス」「モナリザの微笑」「青い鳥」「シーサイド・バウンド」「君だけに愛を」「ラヴラヴラヴ」「美しき愛の掟」・・・。
「美しき愛の掟」はタイガースがアイドルグループからロックバンドとして意欲をみせていた頃の、佐野の一番のお気に入りの曲!
嬉しかった〜。
PYG時代の「花 太陽 雨」も、感動的でした。
サリーさん、岸部一徳・・・いや、修三さんの作詞なんだよね〜。
以前、タイムスリップやってたころ、ベンガルと一徳さんにゲストで出てもらった時、一回サリーさんに歌ってもらったことあったな〜。
中学の時、松江の島根県民会館で行われたタイガースのチケット、殿町にあったレコード店「スイング」で入手したけど、行ったら退学と担任の音楽の先生に言われ、断念したこと、ずっと悔やまれていましたが、それも晴れました。
「追憶」がヒットしていた「ジュウェル・ジュリー」のアルバムの井上孝之バンドとのツアーは夏休みで帰省していた時に観る事ができたので、よく覚えてます。
サリーさんが、まだ、ベーシストとして、すごい長髪のロッカーとして活躍していた頃です。
アルバム「ストリッパー」の頃の楽曲もジュリー、ホント、カッコいい!!
バラードもいいけど、やんちゃな2ビートとか、不良の片鱗を覗かせ、色っぽいぜ!!
「追憶」「勝手にしやがれ」「あなただけでいい」・・・ああ、きりがないや・・・。
往年のジュリーファン、大集合で、少女と化したオバチャンたちは、そのファッションやメイク等、鬼気迫るものもある方も少なくはありませんでしたが、お祭りは、やはり、こうじゃなくちゃね!!
時空を超えて、ジュリーから受けた感動は計り知れません・・・。
「抱きしめたい」「アマポーラ」などの名曲も収まらなかったようでしたが、個人的には大瀧詠一さんの「あの娘にご用心」、今年亡くなられた、ゴールデンカップスのヴォーカル、デイヴ平尾さんのことを歌った「ヘイ デイヴ」なんかもやって欲しかったかな?
バンドアンサンブルも、ベースレス、ギター×2、ドラム、キーボードってのもカッコよかった!
最新作「ROCK'N ROLL MARCH」からのものが、やはり、現行もの!!って感じで、ピタッと決まってた印象でした。
ジュリー、ああ、ジュリーな夜でした・・・。
5日の下北沢のライヴ、GRACE、大丈夫かな?
12月5日(金)
下北沢440
タイトル:北沢サイクル
出演:M.C. King[グン, HIKARI, 大久保海太] 佐野史郎、橋本潤&GRACE 他
前売2500円/当日3000円(1order 500円別)
19:00開場/19:30開演
〒155-0032 東京都世田谷区代沢5-29-15SYビル1F
TEL.03-3422-9440[4PM-]