雑記帳 二〇十七年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十六年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十五年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十四年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月極月
二〇十三年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十二年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十一年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇一〇年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇九年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇八年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇七年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇六年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
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橘井堂二〇十二年極月二十七日

今年も残すところ、あとわずか・・・
まったく色んな事があった一年でした。
若松孝二監督が逝ってしまったことや、恩師、唐十郎が倒れたことなど、辛いことも多かった。
同世代の桑名正博さんや中村勘三郎さんが亡くなってしまったことのショックも大きかった。
同時に、先達や共に仕事をしてきた仲間たち、また後輩たちから大きな刺激を受けた年でもありました。
初舞台から37年、映画の世界に入ってからも27年。
舞台では変わらずに山崎哲さんの新・転位21のすさまじい舞台「こころ」に触れることができたし、劇団創立に参加したシェイクスピア・シアターの舞台も30年ぶりに観ることができました。
たまたま月9ドラマ「リッチマン、プアウーマン」で共演させていただいていた吉川麻美さんがシェイクスピア・シアターの「から騒ぎ」に客演なさるというので、久しぶりに足を運んでみようと…。
いや、実は、今年の2月でしたか、創立メンバーで看板俳優だった河上恭徳さんが亡くなられたことを偲んで昔の仲間たちが集まった時に、座長の出口典雄さんが「台詞に感情なんか入れてたら遅くて喋れない」ということをおっしゃっていて、「同感!!」とひっかかっていたのです。
20代半ば、シェイクスピア・シアターを去る決心をしたのは、シェイクスピア全作品37本上演を目指していたなかで、4代悲劇や喜劇の名作の数々が上演され、次第に歴史劇が増えて、当初のジーパンとTシャツにロックバンドという編成で、小劇場でシェイクスピアでもってアンダーグラウンド演劇を試みようというスタンスから、アカデミックなものに変わって行くように感じられたからだったのでした。
すさまじい速度の台詞と、ほとばしる情熱をぶつけるだけの、稚拙な演技であったとわが身を振り返りますが、そこには確かに既成の舞台に対する反骨心に満ち満ちていたとは自負します。
・・・ところがです!!アカデミックに心情説明を繰り広げられていくように感じられたのは、おおいなる誤解だったのか・・・?ただ、この身が愚かなだけでした。
それとも、出口演出に触れていなかった30年の間に出口さんも変わった・・・とでもいうのでしょうか・・・?

一切観客に媚びることなく、漠然とした心情に頼ることを捨て、ただひたすら、事実のみを重ねて物語りを浮び上がらせる・・・。
それは、まるで、現代能とも云えるものでした。
こんな作業を続けている演出家は少ないんだろうな〜と想いつつ、山崎哲さんと重ねて観てもおりました。
「シェイクスピアはこうあるべき」「演劇はこうあるべき」なんてことをぶん投げての一期一会の空気に震えました。
「から騒ぎ」は女性だけで演じられたというコンセプトで宝塚を想わせますが、まったく別物(!?・・・ワカリマセンが・・・こちらも何十年か観てないからな〜)
俳優座で上演された「から騒ぎ」と続けて「マクベス」も観せていただきましたが、これがまた、凄かった!!
セットはなく、椅子が数脚あるばかり・・・というのは劇団結成当時から変わりません。
言葉と肉体だけでもって世界を浮び上がらせる・・・。
文学座などから結集した若い俳優さんたちも素晴らしかったです。
「物語を動かすために、どう身体を機能させるのか!?」ということのために、「とらえどころのない私」という「自意識」と決別した「何よりも肉体を!」という役者の仕事は、唐十郎の特権的肉体論とも通じるはずなのでした。

・・・ふう、なんだか、年末に熱くなってしまいました。
それもこれも、自分へのダメだし!!
いかんいかん、〆切を過ぎてる原稿があるのに・・・・。
なんとかしなきゃな〜と、のたうちまわり、年越しも変わらぬワタクシでありました。

良いお年を!
来年もよろしくお願いいたします!!!
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橘井堂二〇十二年極月十九日

奈良県立図書情報館での「古事記完成1300年/展覧会『やまとひと〜神話に出会う旅〜』」のトークイベント「出雲と大和と写真とことば」をRe:s 編集長の藤本智士さんと無事終え、地元の小料理屋さん「匠」で打ち上げ。
2010年に島根県立美術館で行った「りす写友会」の写真展の時にゲリラ的にツイッターで写真散歩のメンバーを集ったところ参加してくれた自然発生的写友会「シマりす写友会」のメンバーも来てくれて、楽しいひと時を過ごすことができました。
写真と神話と・・・言葉と観ることと・・・仕事であれ、日常であれ、身体の有無も意識しつつ、大切なテーマ。
そして、それらは音と光に還っていく・・・。

翌日は橿原神宮に参拝後、葛城の神社廻りをしました。
大和の風景に癒されながら、出雲との繋がりに想いを馳せておりました。
ひと言だけ願いをかける一言主神社や、高天原の伝承地、高天彦神社、全国鴨社の総本山、高鴨神社などを歩きました。
オオクニヌシとタギリヒメの子であるアジシキタカヒコネが高鴨神社に祀られていたのも気になるな〜。
カモは「カミ」に通じ、「かもす」「かもしだす」という語にも伝わる。
全国各地にある地名だろうが、クマノやカモという響きは神と深い繋がりがあるのだろう。
出雲にも加茂という地があり、神魂(かもす)神社もある。

大和から尾張名古屋へ。
シネマスコーレでの若松孝二監督特集、「完全なる飼育 赤い殺意」の上映とトークイベントに。
久しぶりに観たが、我ながらの変態役に唖然!!
まったく若松監督の追いつめ方は容赦がない。
その若松監督はもういないけれど、その魂は受け止め続けていかなくては・・・。
監督との出会いから遺作「千年の愉楽」 までの想い出を語りました。
シネマスコーレは若松監督が持っていた映画館。
自分の映画館を持つ映画監督は世界でただ一人だったかもしれません。
そのシネマスコーレは来年30周年を迎え、記念パンフレットに、今回お話しした内容も載せていただけるようです。

東京に帰って、林海象監督の新作、稲垣足穂原作「弥勒」の試写。
中目黒の妖しげな古いビルの一室で、秘密結社の集会の装いでもあるかのような時間。
いや、良かった。
林監督と僕のデビュー作「夢みるように眠りたい」の時のことを思い返してもいました。
京都造形大学の学生たちで作られた映画というのもまた、既成の映画造りから離れた林監督の映画への純粋な愛情を感じました。
私は画家、津田季穂(つだすえお)をモデルにした役で参加させていただきましたが、永瀬正敏、井浦新、四ツ谷シモンといったプロの表現者たちと学生たちの純朴なアプローチが化学反応を示し、さあ、ここに観客がどう反応していくのか・・・?
通常の劇場公開ではなく、まずは巡回して廻るというのも若松監督の制作から公開までを一貫して作る・・・という精神とも重なるような気がします。
公開は来年の7月以降のようで、まだしばらくはお預けですが・・・。

色々な想いが廻り続ける今年の歳の瀬。
稲垣足穂や津田季穂のような私利私欲を捨てた純表現者には、とてもじゃないけどなれやしないけれど、せめて照らし合わせて仕事を続けていきたいとわが身を振り返りました。

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★奈良、大和は橿原神宮参道。


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★高鴨神社の池。


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★一言主神社の蜘蛛塚。朝廷が在する平安京、平城京の周りには、土蜘蛛や天狗、鬼がいるような・・・?

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★名古屋、シネマスコーレの映写機。

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★この先、映画がフイルムで上映されることも少なくなっていくんだろうな〜。

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橘井堂二〇十二年極月十五日

新春、1月11日から始まるテレビ東京、テレビ大阪で放送される深夜ドラマ「ミエリーノ柏木」の撮影快調!!
AKB48の柏木由紀さんとキングオブコメディの今野浩喜さんとの共演。
カフェを営みながら、「別れさせ屋」を裏家業とする三人。
恋愛御法度のAKB48の柏木さんに、オトナたちが恋愛指南を繰り広げておりまする。
セクハラぎりぎり!!!!
撮影合間に今野さんとゆきりんとで話してる内容をお聞かせできないのが残念!!
まあ、深夜枠だからできること・・・??
NHKの朝ドラや大河、昼帯に月9・・・一口にテレビドラマといっても間口は広うござんす。
どんな時間帯であれ、設定であれ、出来るかぎりの力を注ぎ込まなければ!!!!!!

そんなこんなの年越しですが、若松孝二監督の遺作「千年の愉楽」の公開も近づいてきているし、トークイベントもあるし、小泉八雲の朗読も気がつけば来月だし、相変わらずのドラマと映画と写真と神話と怪談の日々であります。
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橘井堂二〇十二年極月二日

師走だ〜。
今年ももうすぐ終わっちまう・・・。
とても充実した一年だったけど、昨年から恩師や友人、仲間が次々と亡くなり、寂しさは隠せない。
その一方で、俳優にしろ、他の表現者にしろ、若き多くの才能が力を発揮していると感じられた一年でもあった。
まだまだ駆け出しのつもりでいたが、気がつけば還暦まであとわずか。
けれど、後輩たちに刺激を受け、こちとらも負けてはいられない!!・・・と気合いが入る。

ドラマ「毒(ポイズン)」の撮影や新しく始まるドラマ「ミエリーノ柏木」の衣装合わせなどの合間を見て、ここのところLIVEやお芝居に足を運んでいた。
「ミエリーノ柏木」に主演なさるAKB48の柏木由紀さんのチームBの公演が、丁度ポスター撮りの日にあるというので、監督と、共演させていただくキングオブコメディの今野浩喜さんと一緒に秋葉原のAKB劇場に参戦!!
夏に東京ドームで初めてAKB48のステージに触れたが、正直、当初はそんなに期待はしていなかった。
ただ、なにかただならない気配を感じ、以前共演させていただいた大島優子さんのお誘いもあってドームに向かったが、3時間を超える必死のステージに、ただただ唸らされたのだった。
そんななか、時折直球で飛び込んで来る秋元康さんの歌詞が、青春や希望を歌うなかで、いたずらに装飾することなく、等身大でリアルな現実を受け止めているようにも感じられ、残酷で耽美的な世界を突きつけられたようにも感じていた。
震災復興の想いを綴った「風は吹いている」を後日バンドでカバーしたのも、AKB48の底にあるアンダーグラウンドで倒錯したロックな匂いを感じたからかもしれない。

AKB劇場は250人ほどのキャパで、メンバーのパフォーマンスはすぐ目の前で繰り広げられるのだから、確かに会いに行けるアイドルとして、ファンの心を掴んで離さないだろう。
実際、僕も、共演の柏木由紀さんがAKB48で表現する姿を観てドラマに活かそう・・・と思っていただけなのに、ステージが始まるや、メンバーそれぞれのパフォーマンスに目を奪われ、次第に「お気に入り」・・・というか、目を惹くメンバーのことが気になり始めたりもしたのだった。
気迫は、すぐに伝わってしまう。
指先、身体の末端の動きに、その人の想いが、そのまま現われるようにも思えたのだった。

この日は峰岸みなみさんの誕生日を祝う「生誕祭」でもあり、アンコールではサプライズが用意されていた。
AKBに入った時からの想い出を綴った手紙が柏木由紀さんによって読まれるなか、その手紙の送り主として、リーダーの高橋みなみさんも登場して彼女を驚かせ、号泣させていた。
すべてが「素」のように、仕組まれていないかのように感じさせるところにも、大いにプロ根性を観た。

一方、もはや日本のロック界において大御所となった「くるり」のステージも圧巻だった。
今回のツアーのファイナルであったこともあり、渋谷公会堂は音響も素晴らしく良く、完全に打ちのめされた!!
ちょうど、ドラマ「毒」で共演中の臼田あさ美さんもくるりの大ファンなので、一緒に出かけた。
今のメンバーになって、今、岸田繁氏がやりたいことが十二分に出来ていると感じ、佐藤征史氏はじめとするメンバーとの息もピッタリ合っていた。
これまでの10年以上のステージを振り返っても、屈指のステージだったことは間違いない!!
新譜「坩堝の電圧」、是非、聴いていただきたいものです。

臼田さんと共にくるりから刺激を受け、翌日の撮影はお互いに演じることが新鮮に感じられたようだった。

さて、くるりとAKB48を同じに語るのは強引すぎるかもしれないけれど、僕の中で繋がっているのは、世界をいたずらに否定せず、受け止めた上で、この世界を常識や道徳に縛られることなく再構築しようとしているように感じられるところだ。 ・・・まあ、虚飾せず、感じたままに、正直に・・・あるいは、フィクションを堂々と生き、嘘をついている自分を受け止めつつ、まるごと晒してくれているところに惹かれるのだろう。
他人様に身をさらす者たち・・・観る人にとっては、みんなお見通しなのだろう・・・コワイけど、でも、やり続けるしかないのです。

なぜ・・・って?・・・それを自問自答しながら、現場へと足を運びましょうか・・・。

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★AKB48、峯岸みなみさん生誕祭記念のタオル。


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★神宮外苑の銀杏並木。現場移動中〜!


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★御殿場ロケでは富士山も観れました。

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★もはや定点観測になりつつあるお隣の柿の木。色づきました。

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