雑記帳 二〇二四年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二三年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二二年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二一年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二〇年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十九年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十八年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
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二〇十三年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十二年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
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二〇一〇年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇九年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇八年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇七年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇六年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
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橘 
井堂二〇十一年皐月二十五日

堤幸彦監督「はやぶさ」の撮影、オールアップ!
全体の撮影も本日まで!!!
長かったような、あっという間だったような・・・。
こんなにも楽しく、苦しく、愛おしい時間があるから、映画はやめられない!!

一方、ドラマ「遺留捜査」の撮影も佳境。
残りわずかの撮影、悔いのないようにやりとげたいものだ。
ドラマの撮影は東映大泉撮影所。
昨日は、クランクインしたばかりの瀧本智行監督の東映版「はやぶさ」のセット撮影が行われていたので、ちょっと偵察に・・・。
う〜む・・・!!!!
こ、これは、立派なセットだ〜!!!
しかも、主演は世界の渡辺謙さん!
ハートウォーミングな竹内結子さん西田敏行さん、主演の(ただし、それ以外はかなりオタッキーな)われらが「はやぶさ」とはかなり雰囲気は違うが、公開中のドキュメンタリー「HAYABUSA /BACK TOI THE EARTH」も大ヒットしているようだし、この風に乗って、どちらの劇映画の「はやぶさ」もはばたいて欲しいものだ。
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橘 
井堂二〇十一年皐月二十日

ずっと続いている堤幸彦監督の「はやぶさ」の撮影もあとわずか。
先日は、オールアップしたJAXA~宇宙航空研究開発機構〜のメンバー役のキャストたちと日活でのセット撮影をすべて終えた後、恵比寿でご飯会。
実に、よく食べ、飲み、語らい・・・まあ、2次会は唄いまくり・・・と、定番コース!
現場が充実していると、自ずとスタッフやキャストたちとも仲よくなる。
・・・といって、内輪だけのなあなあな関係では決してない・・・と思う。
みながお互いの個性や技量、愛情を受け止めながら進んで行く現場は、かけがえがない。
一人が引っぱって行く・・・というよりは、みんながお互いを想いながら少しずつ進めていく・・・バンド感覚に近いかな?
・・・だから心地よいのだろうけれど。
バランスがちょっとでも狂うと、このシステムは危うい・・・かもしれないけれど。
だからこそ、緊張感のある空気に包まれていたんだろうと思う。
最後まで気を抜かないようにしなければ・・・。

ずっと続いていたセット撮影を終え、B班の撮影隊はカプセルを回収したオーストラリアの砂漠、ウーメラへ。
我らA班は、岡山県の中和(ちゅうか)神社へ。
この神社、はやぶさと通信が途絶えたとき、川口淳一郎プロジェクトマネージャーが神頼みに訪れた神社。
それが功を奏したのかどうかは謎だが、はやぶさとの通信が復活したのは事実!!!

出雲神話、古事記にも記されている黄泉の国へと旅立ったイザナミの命を追っていったイザナギの命は、ここ中和神社の祭神である久那止神によって多くの魔神に黄泉の国を追われたイザナギに「ここよりこちらには来るなかれ」と石で塞がれたという。
それが、島根県の揖屋(いや)に残る黄泉比良坂(よもつひらさか)。

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あの世への入り口、黄泉比良坂(よもつひらさか)の門。

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イザナギが黄泉の国へ戻らぬようにと、久那止神が封じた石。

撮影はなかったが、米子空港から岡山入りを予定していた堤監督をはじめとする我らは、「ならば」と、黄泉比良坂、揖屋神社を巡り、出雲と縁のある俳優が、この役を仰せつかったのも、何かのえにしと、岡山・・・吉備の国へと入って行った。

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揖屋神社、本殿。立派な大社造りです。

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揖屋神社、拝殿の前で宮司さんと。


あの世とこの世は、地上と宇宙でもあろう。
現実と神話が交錯する中、撮影が進んでいる、今回の「はやぶさ」である。

中和神社の樹齢300年を越える巨大な5本の杉がアンテナとなって交信を司り、我らを見守ってくれていた。

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岡山、吉備の国、中和(ちゅうか)神社の本殿。こちらも大社造り。出雲の神々でつながっていました。

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中和神社の拝殿。5本の杉、立派でした!! 露出オーバー、申し訳ない。

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橘 
井堂二〇十一年皐月十六日

先月末から、ずっと、堤幸彦監督、20世紀フォックス映画「はやぶさ」の撮影が続いている。
「はやぶさ」は2003年に打ち上げられ、昨年地球に帰還した小惑星探査機。
JAXA〜宇宙航空研究開発機構 のスタッフたちが地球から3億キロ離れた小惑星「イトカワ」から惑星サンプルを採取し地球に帰還するという、世界史上初のミッションを成功させるまでの物語り。
ミッションは昨年6月に見事遂行され、カプセルを地上に送り届けると共に、自らの機体は大気圏内で燃えつきた。
http://www.youtube.com/watch?v=waJdDeYlidQ
燃えつきて行く姿に、けなげな人格を発見し、涙した人も少なくないだろう。
この「はやぶさ」の映画の企画、全部で4本もの企画が挙っているという。
競作が、相乗効果を得て、この魂の物語りが、ひとりでも多くの方々と共有できればと願ってやまない。
そのためには、まず、口火を切った我らのチームが一丸となって挑まなければ!!!!

僕の役はプロジェクトマネージャー。
川口淳一郎教授がモデル。
責任重大だ。
資料映像も豊富にあるので、川口先生に失礼のないよう、役作りには、いつにも増して神経を使っている。
まあ、やれることをやることしかできやしないのだが・・・。
実際のJAXAのみなさまにも現場でも協力を仰いでいるが、撮影所のセット、本物と見分けがつかないほどだそうだ。


「チームバチスタの栄光」に続いてのプロフェッショナルな世界の共演となった竹内結子さんが素晴らしい! 宇宙への旅路は、この世とあの世を行き来し、あやとる物語りとも読み取れる。
まさに、その名のとおり、彼女は、かぐや姫なのだ。
今回の震災で亡くなられた方々が星々となり、彼岸からまた帰還しもするのだ・・・と想いを捧げながら現場に居る。
原子力と宇宙探査・・・軍事目的で発展した科学の力が文明社会の人々に幸いと希望をもたらしたかのように見えるのと同時に、平和の為の科学が人々を窮地に追い込む・・・。
矛盾した世界は、人が死ぬ為に生まれ、生きていると読み取ることとどこか似ている。

「決して、あきらめないこと」
この作品のメッセージのひとつではあるだろうけれど、「無駄と思えるようなことでも、役に立たないと思えるようなことでも、できることはやっておこう、そして、やろう。たとえ、本当に何に役立つわけではなかったとしても・・・」
それは、まるで「何のために生きているの?」という究極の問いに答えるヒントのような気もする。

おおらかな主演の西田敏行さんの包みこむような笑顔のなかで、スタッフ、キャスト一同、今日も宇宙の片隅で旅してる。
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橘 
井堂二〇十一年皐月三日

カン・ジェギュ監督の映画「My Way」の撮影、全体はまだまだ続き、6月いっぱいまではかかるそう。
僕は出番のシーンをすべて終え、帰国後はドラマ「遺留捜査」 や堤幸彦監督の「はやぶさ」の撮影に入った。
「はやぶさ」 は、惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」からサンプル採取をして帰還してくるまでのプロジェクトチームの物語り。
2003年に打ち上げられ、昨年帰還した「はやぶさ」。
最期にカプセルを地球に送り届ける時、探査機本体が燃えつき、夜空をよぎった映像はまだ記憶に新しく、胸をしめつけた。
探査機に人格を見ざるを得ないできごとの連続だったからか、最期に「はやぶさ」が撮影した・・・観た地球の姿には感動する。
竹内結子さん、西田敏行さんが主演。
僕はプロジェクトマネージャー役。
科学の力は文明社会にとって諸刃の刃であることは、現在進行形で日々感じていることであるが、「みなが協力して、諦めず、常識概念にとらわれないで、マニュアルに依存せず、法令遵守の思考停止状態から脱却することの大切さ」を、この映画は示しているように思われる。
宇宙の不可思議、我々がここにいること・・・「子どもたちにも是非、観てもらいたい!」と思うのは、自分の小学生時代の宇宙への想いと重ねているからかもしれない。
思春期に映画「2001年宇宙の旅」を観たことが、少なからず自分の人生の中で、ものの見方感じ方に大きな影響を与えていることとも重ねて。

探査機の行方に一喜一憂するシーン、俳優たちは演技を越えて、みな少年少女時代に戻って無邪気に楽しんでいるようにさえ思える。
この撮影現場の雰囲気、なかなか良いぞ!

科学も、表現も、同じ人間が取り組むこと。
「何が大切か?」ということを、とても考えさせられる。

昨日の世界フィギュアスケート選手権のエキシビジョンには泣いた。
今回の日本選手の活躍はすさまじいものがあったと思う。
ショートプログラムは観れなかったが、フリーとエキシビションを観て、ひしひしと選手たちの想いが伝わって来た。
浅田真央さんの不調がささやかれるなか、それでもフリーは素晴らしかったと思うし、男子もみなそうだったが、全員が、ミスすすることを怖れるよりも、表現しなければならないこと、伝えたいこと、身を捧げることがすべてであるかのように受け止めた。

それは韓国のキム・ヨナ選手も同様で、点数や順位は、それはもちろん、競い合う上で何よりも大切なものではあろうけれど、彼女の祖国に捧げるスケートは、人がそこに「いる」ことを指し示していたので、彼女が氷の上を滑るだけで、うちふるえるほどの感動を覚えた。
生で実際に観たロシアにいた観客たちの感動は想像するだに素晴らしいものだったに違いない。
韓国での撮影を終えたばかりだったので余計にそう感じたのかもしれないが、日韓を越え、さまざまな国を越えて、本当に大切なものは何か・・・というメッセージとして受け止めた。

そう。
そして、安藤美姫選手。
テレビのコメントでもどなたかがおっしゃっていたが、「なぜ滑るのか?という哲学がある」。
同感だ。

キム・ヨナ選手にも、強くそれを感じた。 「スケートで良い演技をする事、良い得点を得ることが目的」なのではなく「スケートを通して伝えたい、表現したいことがある」ということなのだと思った。
もちろん、それができれば、自ずと「伝わっている」のだから「良い演技」にもなろうし「良い得点」も得られる・・・ということになりはするだろうけれど。

全員がそのレベルだった・・・とは言い切れないけれど、今回の各国の選手全体の演技自体に、そういった印象を受けた。

そのことは、エキシビションのフィナーレでの全員への拍手、声援で、よくわかった。
安藤美姫さん演技、特にアンコールで演じた「レクイエム」は、本当に素晴らしかった!!!
「身を捧げる」という言葉の意味の重さ・・・軽々しく口に出来ることではないのだな・・・。

この日、ドラマの撮影を終えた後、日比谷公会堂の細野晴臣さんのコンサート、「HoSoNoVa」に駆けつけた。
新しいアルバム、本当に素晴らしい。
そして、この日は林立夫、鈴木茂、佐藤博、矢野顕子・・・という、70年代のティン・パン・アレイのツアーメンバーも集結!

高田漣さん、コシミハルさんと細野さんとの3人から紡ぎ出される音に徐々に音が絡みあってきて、ティンパンのみなさんが揃った時には、まるで夢を観ているようだった。
ゆるやかな緊張感・・・ジョアン・ジルベルトのコンサートで感じた時と同様のものを感じた。
新曲、「終わりの季節」「香港ブルース」「ポンポン蒸気」「はらいそ」などの懐かしい曲、テクノの元祖、クラフトワークの”RADIO ACTIVITY”(放射能)のアコースティックアレンジカヴァー・・・矢野顕子さんの唄う細野ソングブック「無風状態」「風をあつめて」などなど・・・。
細野さんは声高に反原発や震災被災者の方々へのメッセージを挙げるわけではないけれど、ひしひしと、みな、それぞれ、個人個人が受け止めてやるべきことは何かを考え、うながしてくれているように受け止めた。
「システム」に依存すること・・・「運動」によって動くエネルギーは、それが科学であれ人であれ、停止してしまうと恐ろしいな・・・とも思った一日だった。

それぞれが自分で受け止め、感じ、「場」に「土地に」「住処に」そしてまた再び身を置いてみることが大切なのだろう。
できるかなあ・・・?
以上、「はやぶさ」「フィギュアスケート」「細野場」レポートでした。

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熱狂的ファンが楽屋潜入したら、そりゃ、写真、撮るでしょう!!!!! 左から佐藤博、細野晴臣、コシミハル、林立夫、鈴木茂の各氏・・・すげ〜!

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