雑記帳 二〇二五年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二四年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二三年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二二年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二一年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二〇年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十九年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十八年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十七年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十六年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十五年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十四年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十三年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十二年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十一年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇一〇年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇九年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇八年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇七年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇六年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
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橘井堂二〇二五年葉月二十五日

ちょいと涼しくなったと思ったら、また猛暑のぶり返し。
大病を乗り越えたとはいっても、やはり体力は落ちている実感。
まあ、もう70歳だし・・・とも思うけど、先輩達をみていると、まだまだ若造。
弱音を吐いている暇なぞない。

NHK朝の連続テレビ小説「ばけばけ」の放送も9月29日から始まるが、撮影は既に3月から続いてはいるものの、放送を前にして少々お尻に火がついている感じがしなくもない。
島根県知事役を仰せつかり、まあ、要所要所に登場する役所ではあるけれど、舞台となる松江出身の俳優として、役に対する責任の重さをますます重く感じるようになってきた。

NHK大阪の制作なので、大阪に通っている。
先日はスタジオで収録を終えてから、そのまま、奈良は西大寺に。
こちらも「ばけばけ」同様、、小泉八雲の世界をお届けする「小泉八雲 朗読のしらべ〜へるん先生傑作選〜」の上演。
西大寺の秋篠音楽堂は、クラシックコンサート用の300席ほどのホール。 先日、同作品を上演した福岡では2000人キャパのホールで、特に三階席からは遠かったけど、今回は客席と舞台がとても近い。
ただ、PAシステムを通さずに、生音で楽しめるように設計されたホールなので、残響音がかなりあり、言葉が聞き取りにくいのではないかと、開演前はちょいと心配した。
けれど、リハーサルで、マイクを通した声とエレクトリックギターの音のバランス等、綿密に調整できたので、本番はお客さんが入ることで残響音もさらに抑えられ、ちょうどいい感じ。

今年は、ステージ数も増えていて、なんだかずっと一緒にツアーをしているような感覚だ。
今回も「耳なし芳一」が目玉。
初期の頃から何度も上演してきた作品だが、毎回、違う感覚に襲われる。
「耳なし芳一」は源平合戦に敗れた平家の無念を語る盲目の琵琶法師、芳一が平家の亡霊に取り憑かれる世界だが、実際の舞台、阿弥陀寺〜下関の赤間神宮での上演では、平家の無念の思いに応えることができなかったからか、体も重く、満足のいく朗読ができなかったことが、未だに悔やまれる。

その後、赤間神宮にてお祓いを受け、大病を乗り越えた後は、上演シナリオと一緒にお札とお守りを忍ばせ、毎回、ご供養の気持ちを忘れずに、お守りいただいている。
壇ノ浦合戦の舞台である、関門海峡を前にしての上演は、やはり、思い返すだに、相当な覚悟を持って臨まなければならなかったことを戒められる。

今回は、奈良、大和国、平城京での上演。
こちらは出雲から出向いているし、乙巳の変からの源氏の流れのご当地とも言えるので、今回も、畏れの気持ちを抱きつつ、決して平家の無念をぶつけるのではなく、現代とも重ね合わせて、争いを乗り越えた後の、融和、平和を願いながら、物語を声に出していた。
源氏の皆様に、平家の想いをお伝えすることで、争いのない世界を共に願おうと・・・
思いもよらぬ感情が襲ってきたりもして、今回は、また、特別なひと時であったかもしれない。

状況劇場時代からのお付き合い、ゲージツ家のクマさん〜篠原勝之さんにもいらしていただいた。
クマさんは、もう5年ほど奈良にお住まいで、陶芸や書の表現に、日々取り組んでいらっしゃる。
終演後、お蕎麦と奈良の地酒であれやこれや。
厳しい感想を覚悟していたが、最後まで楽しんで聴いて頂けたようで、ホッと一息。
状況の先輩達は、キビシイのよ!!
「宝井馬琴のようだった」とのお言葉は、講談のような芸を持たない一俳優としては、まともに受けていいものやら、「演じすぎだ!!」との叱咤なのか、まあ、言葉が映像として浮かんできたとおっしゃってくださったのだから、素直に受け止めておこう。
とはいえ、素読み、棒読みを忘れずにね!!

クマさんとの、モノと体、音と体の感覚の話など、表現のことについて尽きせぬ世界・・・楽しいひと時でありました。
師匠、唐十郎はもうこの世にはいないけど、状況劇場の先輩達の存在や眼差しが、表現への大いなる励みになっているのだ。

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★状況劇場で初めてお会いしてから45年もの時が経つ。あの日々があればこそ。


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★お蕎麦のジュノベーゼをあてに、奈良のお酒。おいしかった〜〜〜!!

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橘井堂二〇二五年葉月九日

福岡、アクロス福岡・福岡シンフォニーホールでの「小泉八雲 朗読のしらべ へるん先生傑作選」無事、終了。
2ステージ、当日リハーサルという事もあり、3回通したのですが、始まる前は、正直なところ、集中力が持続するかどうか、不安もありました。
ですが、「耳なし芳一」や「むじな」など、何度も何度も繰り返し読み続けてきた作品でもありますし、言葉が、体に染み込んできたのでしょうか?始まれば、登場人物たちが勝手に動き出し、こちらの体を引っ張ってくれているような感覚で、最後まで一気に駆け抜けていました。

今回の会場は2000人もの観客にご来場いただきました。
会場はほぼ満席で、始まる前は、やはり、せいぜい350席くらいまででないと一体感というのは難しいのではないかと危惧してもいたのですけれど、そこはハードロックバンドのギタリストとして百戦錬磨の山本恭司のギターや音響のセッティングなどで、何のストレスもなく行うことができました。

毎回、気をつけているのは、素読み。
いたずらに演じてみせたり、キャラクターを作ったりすることのないよう、あくまでも「朗読」であることを忘れないようにと、第一声目から気をつけています。
・・・ですが、毎回、あらら・・・登場人物たちの個性の強さに引っ張られてしまうからでしょうか?
物語の渦の中では、思いもよらない声を出したり、行動を起こしたり・・・
「いかんいかん」と、思いながら、毎回、スリリングな体験をさせていただいております。

今回は、「九州市民大学」の講演の一環でもあり、小泉凡さんの講演、我々のパフォーマンス、学習とエンタメのステージに、お越しいただいたみなさまの集中力にも助けられていたように思います。

さて、次は奈良、秋篠音楽堂での同じ作品。
どのようなステージとなるか、お楽しみに!!

松江での神在月の公演も控えておりますし、NHKの朝ドラ「ばけばけ」の撮影も続いております。
しばらくは、小泉八雲&セツ漬けの日々であります。

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★3階席からだと、遠いな〜


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★朗読の前に、凡さんの講義で内容をわかりやすく解説。


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★キョージのシナリオはiPad。音もデジタルでしっかり管理。だけど、プレイは毎回違います。


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★こちらは変わらずに、ず〜っと紙。


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★「耳なし芳一」の時は、毎回、舞台となっている阿弥陀寺〜赤間神宮のお札を忍ばせております。 今回も、お守りいただきました。


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★無事、終了!!ありがとうございました。

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